ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈63.夢目標という厄介なモノ〉

 

僕が大真面目にテニスに打ち込んでいた中学生の頃。

親父がコーチとしてテニスをしていたわけだが、週に何回かクラブに通っていた。そのクラブは県では強豪で、チームメイトにはプロテニスプレイヤーを目指す奴もいた。

 

そのクラブで合宿があった時のこと。夜のミーティングが終わり、全員一つずつ夢を語ろう、となった。テニスクラブだから当然テニスの目標なのだが、そのとき、僕はちょっと迷っていた。正直なところ、全国一位は無理。関東でベスト8すらなれない。でも目標は大きくないとだめな雰囲気。

 

僕の前に発表していくやつはことごとくプロになってウィンブルドンでプレーをするだの、全国制覇するだの述べていた。そして僕の番。

"全国に十文字の名前を広めたいです。"

これにした。優勝するともプロになるとも言わずに済みそうだ。ところが、コーチは具体性を求めてきた。

うーん。仕方ない。

"25歳までに国内プロとして頑張ります。"

 

コーチが満足することはなかった。そして僕の心もモヤモヤしたままだ。本気で思っていない目標を言わざるを得なかったから。当時の僕の心を率直に言えば、県優勝がまず第一だ。そして関東で初戦突破。これが本気の目標。でももっと夢は大きくしないとだめだと散々言われたからプロ、ということにしといた。

 

思えば小学校の頃からそうだ。いままでの生活を振り返って、将来の夢を決めましょう。

わずか10年程度の人生を振り返ってどうなるのか。私はいま21だが、21年の人生を振り返ったところで情報量はごくわずか。それなのに小中高の学生が夢を決めるなんて無理だ。

 

夢を決める、ということには、それを引き出すための一対一でこまーかく聞いてあげる時間が必要だ。

例えば、中学生の時の僕やチームメイトにお話しする機会があるなら。この前の大会はどうだった?なんでそこまで勝ちあがれたの?どんなプレーをしてみたい?どんな大会に出てみたい?

ここから、じゃあそんな大会に出るためにはどうしたら良いかな?とかっていう目標決めができる。ここまでやってようやく目標だ。夢なんか決められるわけなかろう。

 

それこそ忍者になりたい!っていう素朴な答えをすごーく大事にすべきだ。いろんな要素が詰まった忍者っていうものを、その子はどんな観点から認識しているのか。これを解きほどいていく必要がある。でもそれをするのは大きくなってから。まずは忍者を目指して本気でサポートすることだ。サポートしながらなんとなくその子が思う忍者像がわかってくる。

 

夢を語ることをいいことだとするのに異論はない。ただ、それだけが一人歩きするのはどうなんだろうね。大人もそうよ。おじいちゃんおばあちゃんもそう。なんでそうしたいのか、こまーかく聞いてあげようよ。それっから、方法を考えよう。まずは聞きましょ。

 

言わされた夢なんてトイレにも流せないわ。