〈91.おら強くなりてぇぞ〉

"俺"は、人生は自分で決めるものだと思う。だからすぐにでも決意を決めて行動を起こすべきだと思う。

"僕"は、人生はすでに決められていると思う。だから決意は決めなくてもいつか決まるし、行動もいつか勝手にすると思う。

"私"は、人生はどっちでもいいと思う。だから決意も決めたきゃ決めればいいし、行動もするときすればいいと思う。

どれも正解でどれも外れなんだろうな。

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朝、なぜだかわからないがいつもより目が覚めている。目覚めがいい、というのではなく、なんていえばいいんだろう、第六感的なものが働いたのだ。

え、もしかして今日、平日？！

慌ててスマホ画面を見るも、土曜日だ。なーんだ。慌てることねぇや。

だがなにか嫌な汗をかいている。

気を紛らわせるためにコンビニにでも行こう。玄関のドアを開けると、なおさら嫌な予感がする。やたら心臓がバクバク行っている。恐る恐る外に出る。すると。

目の前で人が行き倒れになっている。驚きで声も出ない。ただ、その人はなにか変だ。なんか…。

腕がもがれている！肩の付け根からはまだ血が出ている。無理やり引っ張り抜かれたのだろう。口を大きく開けて目を見開いている。苦痛に満ちた表情だ。

気がつくと尻餅をつき、身動きがとれない。腰が抜けてしまった。ただ、そのさっきまで人だったものを見ることしかできなかった。すると…。

次の瞬間、そのさっきまで人だったものがヨロヨロと起き上がるではないか。膝からなにから全て力は抜けており、頼りどころがない体は今にも倒れそうだ。だが。確実に。近づいてきている。

さあ。あなたならどうする？

なーんて日があなたにきたらどうしますか？ゾンビ映画の世界に明日、なってしまったら。逃げる？戦う？引きこもる？

多分僕は逃げようとして、途中であっさり向こうの仲間入りしてるんだろうな。

この話、少し前のラジオでやっていました。ラジオというか、前も出てきた素人の動画ですが。そのパーソナリティの4人はいわゆる陰キャというやつで、学生時代は教室の端っこでカードゲームやってたようなやつですよ、なんて言ってました。彼らは全員、引きこもるんだろうな、と言っていた。

そのパーソナリティの一人がいいました。

"だから俺らは陰キャなんだな。ここでかっこいいやつなんかは戦うっていうぜ？やっぱり男だったら立ち向かうべきでしょ。"

戦う、という思考を完全に失っていた僕はなぜかハッとしました。そして玄関の靴箱の上にあるラケットがなぜか気になりました。

5年前の僕は戦い、勝つことを考えて生きてたのになあ。

ということで昨日から走り込みをはじめたのです。

おら強くなりてぇぞ！

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いままでもダイエットを兼ねてランニング、なんてやったりやらなかったり、やっぱりやらなかったりしてましたが、なぜか今回はすごく強くなりたい。武力的に強くなりたい、というのもあるけど、こう、なんだろうな、まあ強くなりてぇんだ！だから俺は決意を固めたんだ！

なんてサイヤ人モードになったのも、そういう運命に僕はあったからなんだろうな。決意を決めなくても、ここで決まる人生だったんだな。

ま、そんなんどっちでもいいさ。私は私の今やりたいことをやるだけです。決めようが、決まっていようが関係ない。私は私、それだけ。

つまり、俺も僕も私も、すべて十文字なんだな。決意を決めてもいいし、運命に身を委ねてもいいし、そんなの考えなくてもいいし。十文字が十文字であることを忘れなければどれも正解。なんじゃない？

また長くなっちまった。年末、ということで許してけれ。毎回この感じのヘビーさだとホウチガも読み疲れちゃうだんなぁ。明日はあっさりめにすっぺや。ま、それも明日次第だべ。