〈112.無邪気な日〉

今日は一切攻めるところがない無邪気な観光日でした。本当になんというか忘れちゃうくらいふわあ、とした日でした。

の割には朝めちゃくそ早くてしんどかった。7時に集合のバスツアーに参加。2時間ほど揺られて山に突入。ブルーマウンテンっていうなかなか景色のいい山を散策した。

自然豊かで、緑で、でも山肌ゴツゴツで、みたいな。感動したけど、なんかぼやあと楽しかったなあと。楽しくていい時間だった。

途中でパイを食べたり、お土産買ったり、ほんとに無邪気だった。

街に戻ってきて、海沿いでバスを降ろされ、港を彷徨った。港というだけあってめちゃめちゃ発展していた。ちょうど昨日見たビル群の足元、といったところだ。つまりオフィス街なのだ。つまりシャレオツなキャッフェーがありまくるのだ。困った困った。ふらふらチラチラしてると、友人がやたら反応するカフェがあった。店員さん、綺麗だねぇ。日陰で涼みながらコーヒーを飲む。あ、砂糖入れてねぇな。にげぇぞ。

綺麗な街で木漏れ日で風がそよそよ。オフィス街の綺麗なカフェ。2,30分惚けてしまったよ。

さすがになにか都会なことをしたくなり、デパートを探すことにした。都会をさまようこと30分、なかなか着かない。疲れた。芝生がある。寝た。

今日は昨日に増して暑い気がする。橋下の芝生に寝転がると、人工的な影と自然の風と緑が不思議と調和している気がする。そして、電車の決まったリズムの振動が心地よい。

おっと、このままだとデパートしまっちゃうぜ。ちょっと急げや。だらだらとデパートを探すと、ビルの合間に煉瓦造りの建物やら昔ながらの教会みたいな建物、そしてそれらを改装して集客しているデパートにたどり着く。軽井沢やらヨーロッパやらいろんな国の光景を抜けてようやくだ。

中は、こう、僕らには早いというか、おばさま向けというか、つまり金持ちのための店がボコボコとスポーツ服な私をあざ笑っているわけです。ちくしょう。唯一アシックスだけは僕を待っててくれたね。

そんなこんなで午後も17時。お腹すいた。明日出国だし、豪勢にいこうや。酒でも飲んでみようや。シーフードの良いお店に重い足を引き立ってたどり着いた。

うまい！ビールがうまい！疲れた体に沁みる。酔いがまわるのがはやいはやい。

うまい！海老がうまい！荒んだ心に沁みる。消えていくのがはやいはやい。

こんなうまい海鮮は久しぶりだど。酔いもまわって最高の気分じゃ。なんかポテトを揚げたやつと魚を揚げたやつは見たことある気がするけどうめぇや！

18時でも明るい。不思議な街だ。疲れたし眠い。芝生がある。寝た。寝たというより、じっと空を見ていた。雲ひとつない青空を見ていると焦点があわない。だから考えごとを始めてしまう。

気づけば10分ほどやっぱり寝ていたらしい。酔いも覚め、本格的に考え始めた。明日帰国か。不思議な一週間だった。

神妙な面持ちでホテルに帰ることに。20時過ぎるとさすがに暗くなるんだね。おや。やたら賑わっているところがあるじゃあないか。いってみよう。

おお。アジア系の顔がいっぱいいる。赤い豪華な門に集まっている。中華街の夜マーケットだ。ここって中国だっけ？雰囲気違うな。賑やかで、ごちゃごちゃしてて、お祭りみたい。これはこれで悪くない。まあ見るだけで満足だ。

そして部屋でテニス観戦。いやあ幸せです。これも明日が最後なわけだ。良い国だ。良い街だ。優しいし、綺麗。清潔感って大事だね。

家に着いたらちゃんと掃除しよう。そう思った今日でした。