〈134.故郷案内録〉
自分の生まれ故郷を案内できるでしょうか。
私はたぶんできてませんでした。東京の友人が群馬にやってきた。しかも群馬のなかでも観光地ではない最寄り駅目指してやってきた。
駅からレンタサイクルを使って案内することになったが、どうも観光らしい観光はできない。そうなりゃおれが行きたいところに連れまわしゃあいいや!
地域で一番有名なお寺に行って、利根川を見に行って、有名なまんじゅうを食べた。実家近くの廃れたように佇む神社に行った。途中で空腹を訴える友人をよそに、地元を遊び尽くした。
隣町に移動し、日本でも一二を争う外国人街を練り歩いた。わが町は、実はインターナショナルなのだ。異国風のスーパーで異国のものを眺め、異国の料理店で異国のうまい肉をほおばった。
地元の街も隣町も、友人は時に疲れた様子を見せてきたが、僕は恥ずかしながら永遠はしゃいでしまった。
これの方が、ゲスト-ホストにならず、角ばった感じもせず、いわゆる休日感に満ち溢れているんじゃなかろうか。とはいえもう少し気遣いをしたほうがモテるんだろうが、そんなの知ったこっちゃない。楽しいんだから楽しいんだ。だからおれは謝らんぞ。
地元っていう慣れた街も、外の人を連れまわすと新しい発見があって余計面白くなる。飽きて京都に帰りたいと思っていたのが嘘のようだ。
残念ながら明日、関西に帰ることになっている。悪くない帰省だった。次もだれか招待しようじゃないか。
昨日の小説風日記を面白いと言ってもらえてすごく嬉しいのです。だげど、そんなしょっちゅう頭が働くほど賢くねぇのです。ゆっくり待っててくれねぇか。