昨日は案内人だったけど、今日は案内されたひだった。
といっても、案内してくれたのは群馬の友人であり、進学先の茨城県を車に乗せてくれた、という話だ。
といっても、案内してくれたのは夕飯とカフェの2時間くらいだが。
といっても、5年ぶりくらいに話すのでいい時間だった。高校生当時はなかなかクレイジーで話が噛み合っているのかないのかわからない不思議なやつだったが、インターンやら留学を経てなかなかしっかりしたやつになっていた。とはいえ変わらず変なやつだなあと面白い一面も見られて安心した。2時間はみじけぇやなぁ。次はもっと込み入った話もしてみたいものだ。
茨城県に入ったのは人生初で、ワクワクしたのだが、群馬よろしく見所さんがどうもいらっしゃらなかった。水戸にいったらまた違ったのだろうか。群馬っぽいゆっくりと何もない風景は嫌いじゃないので、休日を過ごすのには良かった。
大きな公園を歩いていると、横に長い研究所みたいな銀色の建物がある。つくばエキスポセンターという科学館らしい。コテコテの文系だが、好奇心がないわけではない。バイト中の友人を待つために時間を潰すことにした。
建物に入ってすぐ、イベントの広告がデカデカと掲げられている。どうやら海底調査員の偉い人が講演をするらしい。しかも今日、というかいままさにやっているじゃないか。ツイている。予約不要というのもありがたい話だ。
家族連れがワサワサと楽しそうに聞いている。途中からだとよくわからないけど、ちびっこ向けにしては難しい話っぽい。その割にちびっこに夢を持って欲しい!という優しいまとめだった。
大事なのは好奇心とチームワーク。良い話を聞いたぞ。海底の世界は面白いな。
隣の展示場では宇宙コーナーが展開されている。
難しい話だったが、キャッツアイ星雲?は太陽の行く末を示している、というようなことが書いてあった気がする。太陽が自分で熱を作り出すことができなくなったらキャッツアイ星雲みたいにぼわあっと広がるんだって。
そうか。いつか太陽が滅びる日も来るのか。明日明後日の話ではないだろうし、何千何万年も後だろうけど、なにか寂しさもある。こんだけ技術とかを発達させて、海底も必死に探査して、豊かさとか、生きるとか哲学をしたところで、太陽が崩れたらたちまち地球なんか滅びちゃうんだ。
人工衛星や海底の水圧に耐えうる器を見て直後だったせいだろう。ちょっとSFチックなことを思いついた。
太陽を人間が作り出せればすべて解決じゃないか。
ちょっと俺、天才なんじゃない⁉︎と思って次のコーナーに向かった。
トカマクという言葉が目に付いた。
あ、それが原子力なのか。
太陽そのもの、というわけではないんだろうけど、代用として核融合技術が発明されているのだろう。人間はもう開発してるのかあ。これまた難しい話でよくわからなかったが、いつか人間ならできるんだろうな、そう思ったのはよく覚えている。
とはいえ、当然ながらその技術というのは不完全だ。車も電車もそうだが、人間には過ぎた技術なのかもしれない。それもまたいつか人間ならクリアしてくれるんだろうけど、まだまだ時間はかかるのかもしれないね。
大事なのは好奇心とチームワーク。人間が動物である限り、好奇心が空っぽになることはないだろう。そしてチームワークも僕は大丈夫だと思う。人間が動物である限りは。
ただ、地球環境と同じく、針の上に立っているくらいのバランス感覚で成り立っているような気がする。ちょっと人差し指で押されたら、好奇心もチームワークも消え去るんじゃないか。
人間は動物であることを辞めるんじゃないか。
人間はSFチックなことすら現実にしてしまう。
だけど、人間が動物を辞めるという話はつまらないSF妄想として埋もれて欲しいな。故郷の友人を大切にしているうちは大丈夫なんじゃないかしら。
隣に座る、コワモテのビジネスマン二人に圧力を感じながら、京都へ向かう時速250キロ前後の猛スピードの鉄の塊の中から思うのです。
もう少し膝を縮めて欲しいんだな…。