〈166.愛車の話〉

子供の頃から姉は運が良いのに対し、僕はそれほどだった。

くじ引きをして、姉貴は何かのチケットを当てる横で僕はいつもポケットティッシュをもらった。なにかいたずらをしても、姉貴がやってる時にはバレず、決まって俺が怒られた。

だからといってそれほど運がない、というわけでもないと思っていた。

しかし、運はよろしくない方なんだと思った。

連日の暇を持て余し、重い腰を上げてサイクリングを楽しもうと思った。せっかくの機会だし、琵琶湖一周したらなかなか良いんじゃないの？昨日からワクワクしていた。

そして今日。天気は良くないが自転車を漕いで熱くなることを考えるとちょうど良いかもしれない。元気よくサドルに跨り勢いよく飛び出した。

わずか20分後。家から4km地点。

後輪に棘が刺さってパンク。涙の帰路となった。

愛車なんだが、こいつ、すぐに修理する羽目になる。

いわゆるロードバイクなので購入になかなかの勇気が必要だった。やっとの思いで家に持ち帰ることを決心し、喜びのあまり夜中まで乗り回した。そして。段差に乗り上げ、ホイールを潰した。初日のことだ。

それからも数ヶ月に一度はパンクしている。なにか踏んづけたり、乗り上げたり、茂みにつっこんだり。

ただ単に自転車と相性が良くないだけかもしれない。実際そういうのは占いとかでも出るらしい。何か機会があったら占ってもらおうかしら。

しかし私は諦めない。明日再チャレンジをしよう。

今日はテンションガタ落ちなので、ベッドに籠ります。おやすみなさい。

明日もパンクするようなことがあれば、俺はもう諦めよう。