ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈170.清冷水〉

銭湯が好きで、時々行ったりする。

サウナがあったりするとなお楽しい。

 

サウナ上がりに水を浴びるのは好きじゃないけど、あのキーンと冷たくなるのはとある経験を思い出す。

 

前日の決定で、岐阜の山のほうに行くことにした。アフリカからたまたま帰ってきた日本人の人が講演会を開くというので、ノリで行ってみた。講演会はもちろん楽しく終わり、良い気分で帰ろうと思った。

ところが終電がなくなり、山の方であったのでホテルもない。いやー困った。野宿だなあと会場を去ろうとしたら、講演をしてくれた人がいたので声をかけた。話が弾み、この後の予定は?と聞かれたので野宿と答えるとドン引きをされた。

岐阜の山をなめたらあかんよ。

 

ということでその人も泊まるゲストハウスに行かせてもらった。築百年ほどの大きくて綺麗な古民家。良い1日だったなあとぼんやり終わった岐阜の旅だった。

 

そのはずだった。

翌日。ゲストハウスのオーナーさんがどこかに行こうとしていたので同行させてもらった。車で走ること30分。山を登って20分。綺麗な水が流れる滝に出た。

"この滝を見ると落ち着くんだよね。神様がいる山なんだね。"

 

そして僕はふんどしになり、滝壺に身をうずめました。

オーナーさんがやってみなさいと。なぜふんどしなのか。最後までわからなかった。

 

清らかなどこまでも冷たい水。私の体を少しずつ鷲掴みにするように。そしてじわじわと体が動かなくなる。気分は悪くない。むしろ良い気持ちだ。

"もういいでしょう。出なさい。"

せっかくいい気持ちだったのに。仕方ない、よっこら…。筋肉が動かない。やばい。慌ててオーナーさんが引き上げてくれた。

 

あの時の心地よさ、そして自然に体が呑み込まれる感覚。人生で二度はないだろう。

 

というのを銭湯の冷たい水で思い出した。

無茶なことをしたから知れた感覚だねぇ。そういう旅もしてみたいな。

 

ふんどし姿を拝みたい方。ぜひ行きましょうね。