帽子っていいよね。寝癖直ししなくていいんだから。小雨が降ってもメガネを守ってくれるよ。そういう機能もそうだけど、やっぱりちょいオシャレなのよ。
始まりはテニスをしていたころだろう。試合も練習も決まってキャップをかぶっていた。キャップのツバの部分が視界を狭めてくれるから、集中力を高められると自分で思い込んでいたのもあるし、やっぱりかっこいいの。ワンポイントおしゃれ。だからキャップは10個くらいはもっている。
今でも、旅行先でちょっと帽子を見てしまう。遊びに行った国に好みな帽子があれば思い出と一緒に持ち帰ってくる。
なんだけど、私がかぶるのは決まってキャップ。ハットみたいなのや麦わら帽子みたいなのもかぶってみたいの。なんだけど、僕はどうも似合わない。帽子屋でかぶってみると、"ああ、いいんじゃない?"と半笑いで言われるのがオチだ。実際ハットなんかは似合ってないんだから仕方ない。
実家に帰った時。親父とアウトレットモールに行った。基本おしゃれセンスはない親子なので、ブラブラ見て楽しむ場所もない。だけど、帽子だけは親父も見ていた。血なのかもしれない。
"こんなんあるけどどう?"
親父が勧めたのは、舘ひろしが被っているような、ハンチング帽と言われるやつだ。はっきり言って、一目惚れ。似合うとかそういうことじゃなくて。アディダスだから馴染みあるメーカーだし、なによりハンチングというスタイルを俺がかぶってもいいのか!というような喜びで見えなくなっていた。
意気揚々とかぶったまま家に帰った。母親。
"ゴルフでもしてきたの?"
笑いをおさめられずに吹き出しやがった。そうか似合ってないのか。恥ずかしくてタンスの奥にしまい込んだ。
だけども、ついにそのハンチングが3年越しで陽の目を見ることになった。福岡にかぶっていったのだ!そして、特に何も言われずに帰ってこれたのだ!かぶりたいハンチングをかぶったまま京都に帰ってこれた!
結構似合ってると思ってるのよ自分では。
この際似合っているか似合ってないかはもうどうでもいい。恥ずかしい思いもまた大事な学びなんでしょ。それより、今着たいものを着て、かぶりたいものをかぶり、食べたいものを食べれる人生なら幸せじゃない!
いま、幸せならもういいよ!
だから俺は明日もハンチングかぶるぞ!