ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈179.レバー〉

さっきまで補助椅子を出して座ってたのに、今はわざわざ立って乗っている。そうか。隣の人が無理やり補助椅子を出したから、彼は座らざるを得なかったけど、本当は座りたくない人なのか。立ち乗り派の私もその気持ちはわかるぞ。

おや、隣の女性は手を動かしてみて、筋肉やら筋やらを確認しながらプリントを読んでいる。試験が近いのだろうか。こんな狭い電車の中でも熱心だなあ。頑張ってください。

 

まあどうでもいいや。別の人生だったらあなたとは友人になれる気がする。

この世界ではそういうことだったのだ。そういう運命なのだ。

 

だけども、この世界でもあなたと仲良くなる方法がもちろんある。

声をかける。

 

たった一言でいいだろう。

"最近寒いですね"でも"整体のお勉強なさってるんですか"でも。

運命はいくらでも変えられる。

人生のレバーを握っている感覚を掴めれば変えられるんだろう。

 

だけども、僕はその必要を感じてないから声をかけない。仲良くもならない。運命という言葉で片付けることにする。

そして、いま話をしてくれる仲良くしてくれる人を大事にする。そういう運命なんだから。

 

こんな俺みたいな人に注意をかけてくれるのなら、最大限できることをしようかしら。そういう人生なんだから。

 

運命って便利な言葉よね。鋭利な刃物みたい。