〈190.Just Do it〉
将来やら夢の話。これはすごく楽しい。明るい未来を期待できる。
だが。"夢なんか語るな。"
夢はでっかく根は深く、という言葉がある。夢はでかければでかいほど、将来無限に進むことができる。だけども、同時に根もしっかり張らなければならない。根が浅ければ、栄養を十分に吸収できないし、いつか折れたり腐ったりする。
夢を語りすぎるのは危険でもある、ということだ。
友人と夢を語る時を考えて欲しい。将来こうだああだ、こうなっているああなっている。そういう時、ずーっと遠くの美しい景色を眺めているような良い気分だ。空は冴え渡り、鳥のさえずりが聞こえるよう。
だからこそ、一歩先の小石さえ目に入らない。崖がすぐそこにあることすら見えない。場合によっては遠くの景色を写真に収め、額縁に入れて満足してしまうことすらある。
遠くの美しい景色に辿り着くためには、無限に広がるジャングルを潜らなければならない。きっとそれは1日や2日の忍耐でどうにかできる話ではない。戦略を立て、用具を揃え、呼吸を整えなければぬかるみに足を取られ、大蛇に襲われ、方角を失うことになる。
地獄をくぐるくらいなら遠くから眺めるくらいがいいや。その程度ならさっさと山から降りた方が身のためなんだね。
夢を語るのは大事なのは当然だ。
だけども、同時にその夢の実現のために目の前の地獄の突破することを考えなければ死ぬ。
カイジが鉄骨渡りの直前に、仲間たちと盛り上がるシーンがある。
"俺たちならできる!やれる!"
それを見て利根川は言う。
"あいつらは、渡ると言う言葉を使わない。目の前の現実から逃避しているだけだ。"
夢を語るのも似たようなところがある。
"夢なんか語ってる暇があったら何かしろよ。"
姉の口から言い放たれた言葉である。
うむ。結局バランスなんだね。すんません。