ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈359.読書感想文〉

9月22日。

 

日曜日。外は朝からモスクのほうから永遠にマイク放送でなにかを読み上げてるのだか、喋っているのかはわからないがにぎやかだ。それでいて街に人の姿はない。モスクに集まっているのか、家でのんびりしてるのかはわからない。

まあそれならあたいも家でゆっくりするよというので、日本から持ってきた本をのんびり読んだ。ハンモックに揺られて。

 

"岩田さん 岩田聡はこんなことを話していた。"

僕が大好きなほぼ日が出版の本。本屋さんで在庫なしを3連続だったので、出国直前に家に届いた。それを慌ててリュックにしまった。持ってきて本当によかった。

 

岩田さんがお亡くなりになったのは僕が大学一年のころで、正直それまでよく知らなかった。任天堂の偉い人、というだけで。あとは直接伝える人、という程度の認識。

読中、これまで彼についてよく知らなかったことをひどく後悔した。彼の哲学は非常に美しいし、欲しかった人生の指針を示されたような感覚である。もっとはやく知っておくべきだった。

 

彼の人生観についても、ちょっとマーケティングについても、クリエイティングについても、プログラミングについても。彼が残していった言葉を集めてある。簡単な言葉を選んでいることがわかるし、なにより優しい。もしご存命であれば、直接話をきかせていただきたかった。それを目標にして人生のエンジンにしただろうに。

 

僕はゲームが大好きだし、誰かのハッピーのために人生を費やしたいとも思っている。それを綺麗に端的に論理的に考えていらっしゃったのがまさに岩田さんであり、この本にまとめられた彼の言葉だった。いままで出会ってきたなかで一番暖かい本で、大して知らなかった僕でさえ寂しくなる。素晴らしい人間だったんだろうな。僕には推測しかできないのが、また惜しい。

 

おそらく何度でも読み返すことになるだろうな。本を読みながらメモを取ったのは初めてだ。こんなに美しい本は初めてだ。

この稚拙な文章を読んでくれる人ならたぶん理解して同じ気持ちになるんじゃないかと思う。ぜひ読んで、感情を共有したいなとその欲に駆られてしまう。

 

そしていつかどこかで彼の人生哲学を肌で理解し、乗り越えてみたいとさえ傲慢な私は思ってしまう。

 

ああ!なんて美しい出会いだったろう!