〈372.前提取っ払い〉
10月5日。
圧倒的風邪。自分で何か動こうという気にはならなかったから、近くの広場でやっているサッカーを見に行った。
やったら広い何もない荒地。コートもないし、ゴールもない。そこらへんから取ってきたブロック二つを並べてゴールにしている。整備なんてするわけないからボコボコ。雨上がりだと緑色の水たまりもあって気持ち悪いくらい。
それなのにサッカーしている人たちの靴はめっちゃ綺麗。オレンジだったり緑だったり、日本のサッカー少年、サッカー青年と変わらぬ靴。たぶん、誕生日プレゼントとか賃金貯めて買ったんだろうな。
いやあ。面白かった。プロみたいにうまいわけじゃないけど、パッションがすごくて面白かった。素人サッカーだけども本人たちは凄い意気込みでボールを追っかける。
思ったのは、本人たちは日本人が思うアフリカ像よりもちゃんとお金はある。ないのは、こういう広場を整備する法律とか政治とか地方自治とか。そういう制度側なんじゃないかと思う。それのあるなしだけで、街は綺麗にもなるし汚くもなるし。渋滞の激しさも酷くもなるし耐えられるくらいにもなる。
僕がアフリカ来る前は、全土全てが貧しくて助けを求めてるみたいなことを考えていたけど、実際そうでもないってことがわかって。
それでもなにか大変なんじゃないかと思っていたら、どうも個人ではなく集団になった時なんじゃないかと思う。
でもこれってアフリカだから、セネガルだからって話じゃなくて、日本でもそうなんだと思う。公園とか街の美しさを比べたら、そりゃあ日本は上位になるかもしれないけども、集団になったらなったで色々課題がある。
個人の理想は一つに絞りやすくても、集団の理想は一つになるのはほぼ不可能なんだな。
我々日本は先進国として〇〇すべきだ!っていうのが時代にマッチしてないのはなんとなく思っていた。だからといってなにが正しいかは今もわからないけども。
とりあえず謙虚に、比較とかもしつつだけども、一つの現象をじっくり分析してみるのが優先されるべきなんだろうな。
後進国だからどうだとか、先進国だからこうせよ、ではなくてね。前提を取っ払うことが大事なんだろうな。
風邪で脳みそ回らないからこんな程度でおやすみなさい。