11月28日。
かつて読んだ小説で、人生の歯車が音を立てて動き出した、みたいな表現があった。
人生に歯車なんてないし、音を立てて動くことなんてありえない。意味がわからない。
ただ意味はわからないけど、理解は可能だと当時思った。かっこつけて嫌な表現だな!って思ってたけど好きだった。
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そんなさ、いままでの人生で音を立てて動き出すようなことあるわけないじゃん!
あったわぁ。
部活でもあった。はじめてライバルに勝った時なんかはまさにそうだ。
受験とかはわかりやすくて歯車が動き"出す"わけじゃなさそうだ。それより大学入学最初の授業で話した奴と、たまたま駅で出会った時、その時は確実に歯車が音を立てていた。そいつと生涯の友になる予感があった。
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"ケニア人の先生がお前のこと気になるって言ってたで。"そう友人に言われた時も音をたてて動き出した。いままでで一番大きな音を立てていると思った。
それで学部の卒論を書いたわけだし、その先の今にもつながっているわけだから、間違いなくその友の報告が大きく動かした。
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帰国まで残すところ数日。ここに来てようやくなにかが動き出した気がする。それが歯車なのか、ただの気まぐれなのかはわからない。
この微弱な胎動を無駄にしてはいけないということだけがわかる。
明日は勝負の日になる。うまいこと成長させられればいいものだけども、