12月21日。
ひさしぶりにあった友人。
2日前にやってきて、遊び倒した。
そいつは今年社会人一年目だったはずだが、既に無職になっていた。まあこいつはふつうの会社には適応しないし、できない奴だろうと思ってたので、ある意味安心した。
しかし、直近の未来がどうなっているのか想定できないのはつらいだろう。もともと自分のことを多く語りたがらない奴だから詳しくは聞かないけども、将来に関して少ない口数がいつにも増して少なかったと思う。
"もんじはさ、研究どうなんだよ。"
"まあ、ようやく動き出したって感じだな。あんたはどうなんだよ。"
"まあ、まだわからんな。そろそろわかると思うけど。"
。
昨日、京都らしい夕飯を食べたいとオーダーがあった。しかし、京都らしい食べ物なんて総じて高価だ。安すぎずチェーン店でもない、そういう適当な飲み屋に行くことにした。そこは学部時代にそいつと一度行っていた、ある意味懐かしい店だ。
その入店数分前。奴が突然電話に出た。話を聞かれるのを嫌がる彼なので僕は5分くらい一人になった。
さすがに半年くらいだと性格も価値観も大して変わらんよな。もちろん、彼だけが詳しいことは増えたし、それは同じく僕もだろう。安心するような、それでいて物足りないような感覚もまた半年前と変わらない。
"ああ、なんかさ、来年のコト、決まったわ。"
"ああそう。そんなことよりさ、はやく店行こうぜ。"
"おい!そんなことってなんだよ!"
いつも通りだ。
。
来年から彼はまた遠くに行く。海外で仕事だ。
そうなると、また会わなくなるだろう。そして彼は国際結婚を考えているとのこと。
"向こうで住むことになると思うわ。"
"そうか。相手がそうならそうするのがいいやな。"
"ま、俺はお前と結婚するけどな!"
"いや、もう結婚してるようなもんだろ!"
"それだけは勘弁。"
"おい!"
いつも通り。
。
学部卒業の時にも、もしかすると、とか思ってた。だが、半年後に会った。
どうせ海外で仕事すると言っても、会うことにはなるだろう。もちろん、いままでみたいに頻繁に、とはいかないだろうが。
どうせ会うだろうな。でも別れる時はいつでもさみしいもんだ。地下の駅に降りていく君を見送れるほど僕は強くない。
。
やつの就職祝いに少ないバイト代の中から僕が奢ってやった。次会う時はたぶん立場が逆だろう。しっかり奢ってもらわなくては困る。それはたぶん外国の料理になるだろう。
酒を君と飲めればなんでもいいや。ああ、もしかすると君は酒が飲めないか。そしたら俺だけでも飲ませてもらおう。めでたいからな。
おめでとう。