〈453.プレゼント〉
クリスマス。
京都に戻り、ようやく日常に戻る。体調を崩したり、親友が京都に来たり、東京に行ったり、群馬に帰ったり、とにかく移動も多く、落ち着かない毎日だった。それがおわり、年も終わり、すべて落ち着くタイミングだ。
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京都の部屋。日当たりが悪く、やけに冷える。一人になるとより静かで寒く感じる。数日前にやってきた親友と二人で2,3日過ごしていたなぁ。
そんなことでもホウチガに書こうかしらなんて考えていた時、その親友が珍しくも乙なことしたもんだ、彼の置き手紙を読んだ。
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実のところホウチガを始める前、はじめに彼に相談したのだ。
なにか文章を複数人で書いたり読んだりする場を作ってみたい。
彼は結局、距離を置いて応援するという立場だった。まぁ、確かに彼が喜んで文章を書くこともないだろうし、ましてやそれを公開しようなんて思わないだろうからな。諦め半分、残念半分だった。
そんな時にたまたま、だいちと岡島が暇そうにハナクソ食ってたんだから、運良くホウチガに辿り着いた。人生わからないもんだね。不確実性にあふれているよ。
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彼が本を読む姿を見たことはあるが、喜んで文字を書く姿はほとんど見たことない。どうせこの手紙もおふざけで、期待させるだけさせとくようなジョークだろうと思って"いた"。過去形なんです。
"お願いがあります。ホウチガブログを更新し続けて下さい。"
真面目だった。
彼はホウチガを認識していないと思っていたし、認識していてもそんな読むようなことはないと思っていた。
だってこんな駄文追いかけるようなやつはまともなやつじゃないもん。
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そしたらやっぱり彼はまともなやつじゃなかった。読んでるなら読んでると言ってくれよ、恥ずかしい。
彼はまた適当なジョークで手紙を締めくくった。
短いけど、なかなか出会えない良い手紙だった。悔しいけど、彼のがよっぽど手紙がうまいよ。
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そういやこの文も読んでんだっけな!
手紙本文の裏にマジックペンでデカデカと文字書いたら、シャーペンの本文が読めないだろ!バカチンが。
なかなかのクリスマスプレゼントだったぞ!次はちゃんと便箋に書きなさい。