僕はいま二つの漫画の世界に没入するのが楽しみになっている。
一つはバガボンド。一つはMONSTER。
バガボンドは1998年から現在休載、MONSTERは1994年から2001年まで掲載された漫画だ。
いやいや令和のいまに20年くらい前の漫画かい。そういうこともあるだろう。
残念ながらこれまでの人生で漫画を読んだことが極端に少ない。だから今更ながらどハマりしてしまったのだ。
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バガボンドはまだ最初のほうだ。主人公武蔵が恐怖と戦っている。MONSTERは終盤に差し掛かってきた。主人公テンマがヨハンを追い詰めようとしている。
不思議なことにこの両者、いまのところ恐怖との戦いがテーマになっている。
バガボンドのほうは自分との戦い。死への恐怖。MONSTERは悪との戦い。闇への恐怖。このどちらもそうなんだけど、本当に強い人は余計なことを言わないんだねぇ。
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コンビニ店員をやっていて、接客をちゃんとやろうと思うタイプがふたつある。
1。見た目で怖い人。ヤンキーもそうだし、おっちゃんもそうだ。柄が悪そうな人。
2。丁寧な人。年齢関係なく、ちゃんとお礼を言ってくれたり、敬語だったり。
このふたつの分類の強さは全く別なんだね。
1のほうは腕っ節の強さ。取っ組み合いになったらまあ負けるだろうな。おっちゃんならまだ抵抗できるかもしれないけど、あのなんていうか、声で威嚇する感じ。あれがやだね。おっちゃんに限らずおばちゃんもそうだ。圧迫感。やだね。非常に。
2のほうは人間的な強さ。筋が通っているというか。力だと勝てるかどうかとかいうより、戦わせないような、そういう強さがある気がする。レア。あんまりいないけど、時々現れる。服装とかから違う。コンビニに来ちゃいけない人。
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1のほうのひとたちは、絡まれたらめんどくせぇなっていう強さ。強さというか、乱暴さだったりマウンターだったり、そういうほうが適切かもしれない。面倒ごとを避けるためにちゃんと"してやる"っていう感じだ。内心ベロベロバーしてる。
2の人たちは違う。この人はちゃんと接客せなあかん。そういう強さを感じる。腕っ節じゃなくて、なんていうんだろうな、修羅場を超えてきたんだろうなって感じ。
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読んでいる2つの漫画では、恐怖に勝つためには空元気をすることと受け入れることのふたつあるとか言ってた気がする。なんとなく共通してたのはぼんやり覚えている。うろ覚えなのでアレだけど。
1の人たちは、なにか不安定だったり満たされなかったりしているんだろう。それを見た目だったり、態度だったりで「強くあろうとする」ことで乗り越えようとしていると思う。空元気しているんだ。だからなんか根本的には弱さがあるんじゃないかと邪推してみたりする。
2の人たちは、そういう弱さがないのか、弱さを受け入れて隙がないというか。乗り越えるではなく、飲み込むことで力にしているんだと思う。
本当に恐ろしいのは2の人たちだ。
言葉であったり態度であったり、そういうので強さを誇示する人は弱い人間だ。
親父とか母親がそんなことを言ってた気がする。
そんな僕は弱い人間ですな!
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この恐怖を乗り越えることに関する話はDIO様が語っていたと思う。ジョジョを読み直したい気分だ。
漫画に広がる人生哲学は非常に面白いぞ。
おすすめの漫画、教えてください。