3月10日。
友人がご飯に誘ってくれた。
うれしかった。
。
雨が降ってきたので傘をさした。
すれ違う人は傘をさしてなかった。
もう雨がやんでしまっていた。
不思議そうにこちらをみてきた。
あわてて傘を閉じた。
雨が降ってきた。
小降りなので傘をささなかった。
すれ違う人は傘をさしていた。
なかなかの粒の大きさになってきていた。
不思議そうにこちらをみてきた。
あわてて傘をさした。
なんだか楽しかった。
。
友人が俺に話したかったことを思い出せなかった。
残念だった。
でもそれはそれで話ははずんだ。
"そうそう前に話したかった話があったんだ。"
おまえはなんこ僕に話をしたいんだ。
うれしかった。
。
牛丼とラーメンを食べた。
こんなカロリーをとっちゃっていいのか。
今日はいい日みたいだった。
大盛りを食べた。
おいしかった。
。
絶望と失望って何が違うんだ?
なんだその話。
わざわざ俺に用意してきたのか。
俺が好きそうな話題じゃないか。
楽しかった。
。
今度もっと人呼んで飯を食べる話をした。
もっと仲良くなりたいもんな。
俺は言い出せないけどやっぱりそう思ってたんだと思う。
うれしかった。
。
ひとりで傘をさして帰った。
携帯が通知を連絡した。
さっきの友人が思い出したんだって。
僕が好きそうな曲を教えてくれた。
好きな曲だった。
うれしかった。
。
東京から来てくれる人がいる。
ずっと待ってた。
うれしい。
。
何年も昔、3月10日にたくさんのひとがなくなったことがあったらしい。
僕はもう知らない。
知る方法も近くにはない。
でもその日があって、今日みたいな薄っぺらくて、うれしい日があった。
何十年後も経ってしまえば、僕の存在も記憶もなくなるだろう。
それでいいんかもしれないな。
でも、ありがとう。