〈552.冷たいレッテル〉
4月2日。
「行為の意図の説明をするために、心の状態を導こうとする。」
「その結果、その行為の主体を"よくあるキャラクター"として描く。」
大学院で尊敬している先輩と話をしたときに出てきたフレーズ。メモしておいた。オレは偉いな?
こういうことなんだろうな。知りたいこと。
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未知のものを見たときの思考の整理の仕方だとするとわかりやすくなるかしら。
例えば、やたら食パンとかの袋を止める尖ったU字型の青いやつを集めている人がいたとしよう。その行為を理解するためにどんな文脈をつくるだろうか。
それを多くの場合は、青い留め具の収集癖、というだろう。
これはまだわかりにくいかもしれない。
例えば、来年の2月に将来がかかった大きなコンペティションがあるとする。それに向かって斎藤君は計画を立てて、見事に遂行している。それをみて、近所のおじさんはこう評価するかもしれない。「斎藤君は頑張り屋だからね。」
悪い気はしないんだけど、頑張り屋だからやるのではなく、コンペティションがあるからやるのだけどもなぁ。斎藤君はそんな気持ちになるかもしれない。近所のおじさんは、なんかちょっと冷たいような感覚を受けるかもしれない。
頑張り屋って言葉で片付けないでよ。
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心の状態を導くことで行為の意図を説明する。
というのはこういうことだ。先輩の専門分野的な説明をすれば、ある儀礼的行為(手を合わせて唱える、みんなで頭を下げる等)の意図の説明として、「神様を信じているからね」という言葉を選ぶこと。
もちろん、儀礼的行為をするなかには本当に神様を信じる人もいるだろう。だがね。全員がそうとは限らない。
我々が「いただきます」というのは、本当に感謝しているから?むしろ習慣の一部として言うことになってる、というひともいるんじゃないか。
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この「相手の心を推し量って行動の意図を説明する」というのは間違いなく大切な作業だけども、同時に壁を構築していることを忘れるな。
相手の心ってのは、その人にとってもよくわからないんだから。それなのに赤の他人の僕が勝手に土足で上がり込んで、お前はこう考えてるからこういう行動している!と決め付けるのは、冷たい奴だと思っちゃう。
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僕は高校の頃、とてつもなくゲームの妖怪のキャラクターが好きになった。
それをある人はこう判決を下した。
「男子校で女子がいないからこういうものが好きになるんだよね。」
そうして僕に「オタク」というレッテルを貼った。
オタクだとしてもいいけども、君にとってオタクってなんだね。そもそもオタクの定義はなんだ?勝手にマイナスイメージを持ってやしないか?そして、なぜ僕が男子校生であるが故にゲームのキャラが好きだという論理になるんだい?
壁を設けることになったよ。無意識に。
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このレッテル貼り、行為の推測からの意味づけは無意識でやっちゃうから難しい。無意識で勝手やって、その結果どんどん壁が作られていく。悲しい。
マスクをしてないやつは、問題意識が弱い。ある意味正解かもしれないけども、はたして。
こうやって取り上げれば、多面的にみることができるけど、日常における瞬発思考力ではなかなか難しいよ。冷静に考えるって難しい。
僕は瞬発思考は苦手です。だからこうして長々と書いてしまうのよ。
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夜道、月を見て妄想する。
いま、承太郎が時を止めてDIOをぶん殴ったかもしれない。その時に僕の腹をTHE WORLDが突き破っていったかもしれない。ところがクレイジーダイヤモンドがなんか上手いことやった結果、僕はなにもなかったかのように桜を立ち見しているかも。
この思考の意図はなんなんだ。
「現実逃避」だろうか。そうともいえない気がする。「オタク」だからか?
なんでもいいや。あなたがそう思うなら。