ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

MENU

〈630.筋を通す〉

6月19日。

 

筋を通せる人間というのに憧れがあります。筋を通すというのは、決して論理的であるというわけではありません。その人が大事にしていることを最後まで守り通せるかということです。

そんな憧れエピソードをひとつ、6〜7年前のことを話します。またテニスの話かよ。仕方ない僕にはテニスくらいしか語れるものがないんだから。

 

 

最終的に僕は県大会では毎度シードをもらえるくらいの立ち位置にはいました。しかしそのプレースタイルというのはいびつでありまして、ハードヒットに全振りなのです。つまり、どんなボールでもどんな状況であっても強打し続けることしかできませんでした。

このプレースタイルは当時、固定砲台とかガンタンクとか低偏差値テニスと言われたものです。しかし僕はそれがむしろ嬉しかった。ようやく僕の存在を認識してもらえた、みたいな。だからこそ僕がテニスするときはどこまでも強打し続けよう、そう無意識に考えたものです。

 

 

まだ中学生くらいなら強打ひとつでも勝てたりするものです。しかし、みんな体格が良くなってくるとどうも効かなくなってくる。関東大会に出ようもんなら強打一本の選手は一人もいない。あえて、スピードを落として安定を求めるのです。テニスというのはミスのスポーツですので。

 

関東で勝ちたい、全国で勝ちたい。しかしそれではハードヒットを控えるべきだ。コーチは僕が負けるたびにそう教えてくれました。確かにそうです。最適ルートというのは強打でのミスの確率の高さを抑えて逆に相手のミスを待てるくらいに冷静なプレーヤーであるべきです。だけども僕は強打を打ち続けたい。それが僕の道だから。この苦しみというのは、テニスしか生きる感覚を得ることがなかった当時はそれはそれは壮絶でした。

 

 

さて自慢の語りはここまでにして、この解決をどうしたかというところにしますと、ひとつの練習試合での相手校のコーチの言葉でした。

まだ20代の若いコーチでした。僕の強打一辺倒のテニスをそれはそれは喜んでくれました。

試合後に負けまして、僕は相当に落ち込みました。相手コーチに挨拶に行きます。

「君、いいテニスしてるよ。そんな落ち込むことないだろう。」

いや、こんな強打ばかりしてて良いのか。自信がありません。

「君の持ち味は強打だろう?」

はい、そうです。でもみんな強打をやめて安定させろとアドバイスをくれるので。

「じゃあさ、そのみんなっていうのをここに連れてこい。」

みんなをですか?

「そのみんなは君のテニスをどこまで理解してるんだい?君は君がやりたいテニスをすりゃいいだけでしょう。」

 

いまでもこれはよく覚えています。結局僕は中途半端な勇気しかなかったので、強打しつつ、小技も増やすというどっちつかずなプレーに落ち着きましたが、強打をやめずに済んだのはこの若い兄貴が筋を通せと言ってくれたからであります。いまでもテニスをすればどこまでも強打をすることになっています。

 

 

長い自分語りになりましたが、やはり自分の筋を通すのいうのは難しいものです。しかし、たとえ評価が下がったとしてもそれはそれで気持ちがいいものです。生きている実感を得られる。

武士道とでも言ったら怒られるかもしれないけど、そんな気がしてくるのです。

 

 

戦闘力71日目

572(+8)

運動+3

その他+5

 

ちょうどハマってしまったAmazonプライムで見ているやつが、不器用だけど筋を通す男の話でして、僕らが中学時代に流行った漫画アニメなのです。いやぁ。当時見とけばよかった。