〈726.動的平衡と弁証法〉
9月23日。
学部時代の後輩の一人が京都にきたっていうんで連絡をくれた。なるほど、こうされるだけで嬉しいのか。勉強になったぞ。
その後輩君はなかなか勉強熱心である一方、なかなか悩み多きやつだった。それがなんだか吹っ切れたみたいな雰囲気になってて、大人になるっていうのはこういうことかと気付かされた。まだ悩みはあるだろうけど、それと上手に付き合うってことですね。
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彼の上手に悩みと向き合うっていうのは、まさに動的平衡ってやつなんだろう。外見はなにも動いてないかのように見えて、逆方向に引っ張り合うことで動いてないかのように見える、そういうやつ。
この動的平衡というのも最近教えてもらった話だけど、それを体現してるのが彼なのだろう。
悩みつつ、活動しつつ。二項対立ではなく、その間であること。
二項対立は悪いことじゃない。でも弁証法みたいに一つ上の段階に上がるためだけに使うのが良いだろう。そうじゃなけりゃ大事ないろんなことを見落としちゃうよ。
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白黒つけるのは悪いことじゃあないけども、大事なことを見落としてしまう。
最近勉強しているネグリチュードという1930年代の黒人文学運動もその一つだ。白人の植民地主義な政治に反発したアフリカやアフリカ系の人たちが、黒人の権利を訴えた運動。
でも結局黒人内の格差もあるし、白人の中にも問題を抱える場合もあるしで運動は批判された。大事なものを見落としていたから。
でもその批判があったからこそ、次の運動にも繋がった。二項対立からはじまって、そこを乗り越えようと活動を切り替えていく。
そうやって人間は成長してきたんじゃないのかなと思う。他の事例はさっぱりなので憶測なんですけども。
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一つの視点しかないというのは恐ろしいことなんだな。どんなことでも。
より良い世界を目指すのであれば、二項対立的に探してみて、そして動的平衡のもと新しい別の何かを探し求める。
根源的なところからそうよ。幸せになりたいのはなぜか、命は大切なのか、勉強はするべきなのか、生きるべきか。
その間反対とか、似てるけど違うとか、そういうところをもってきて、そして新しい世界を探す。そうやって視野を広げるのは、なによりも楽しい。
すごく大切なことを、後輩君は教えてくれた。勉強になった。ありがたい。
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戦闘力167日目
1146(+7)
勉強+2
その他+5
勉強に時間を割けられなかったけど、もっと大事な勉強ができた気がする。だから今日はいい日だ。
ただ、この弁証法という考え方も古いものだ。それ自体、人類がどうやって乗り越えようとしているのか、勉強してみてもいいかもしれない。