10月18日。
研究室の隣にあるトイレに行く。
いつものように用を済ませ、手を洗っていると自分の頭に白髪が一本あった。
僕はこれまで白髪が生えたことがなかったので驚愕しているのだが、僕を知る人に聞くと前からあったとか。その事実にも驚愕である。
それくらい、自分を鏡で見る習慣がない。老化現象じゃなくてよかったのか?
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鏡というのは不思議なもので、三種の神器に鏡があるように昔から不思議なものとして考えられていたんだろう。
自分の体のうち、自分の目で直接見れないものが見える。これは不思議な体験である。顔も然り、尻も然り、背中も然り。自分のことなのに見えてないことまで見える。
ドラクエにはラーの鏡というのがあって、そこには真実の姿を映すとか。それで人間に化けてたモンスターをとっちめたりする話があるわけですが。
この、鏡が真実の姿を映し出す、というのはなにもドラクエだけの話じゃなくて、閻魔様は浄玻璃鏡のもって死んだ人の善悪をはかるらしいし、白雪姫の悪役の女王は鏡に美しい人を問うし、新聞紙の名前に鏡をつけるのが海外ではあるらしいけど世の中をありのままに映し出すことを掲げてるとかなんとか。
じゃあ鏡が映してるものってなのよ。鏡の中の世界?いや違うね、あたしは結局まわりからのまなざしを示してるんだと思うね。
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自分の姿は大して見えてない。なので、僕はこういう特徴がある、とか思っていても遠くから見たらそうでもなかったりする。逆もあるわけで、認識してないところがチャームポイントにもなりうる。
つまり、自分が何者であるのかは自分では決められないってことだ。まわりからのまなざしで自分は決められちゃうし、それを確認できるのが鏡なのだ。
ただ、それに囚われるというのは、鏡の世界に囚われてしまう悲しいお姫様である。適度に鏡の世界と自分の世界を行ったりきたりする方がいいだろうさ。
自分が何者かを決めるのは、社会においてはまわりからのまなざしだけど、それは一面しか見てなかったりする。手持ち鏡であれば顔しか映らない。その人の体つきは謎のまま。全身を映してくれる大きな鏡でも、背中は映らないし、目の縁にある泣きぼくろは小さすぎて気づかないかもしれない。
鏡は不思議な世界なのよ。
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戦闘力191日目
1286(+6)
勉強+2
その他+4
結局、自分に一番興味を持ってくれるのは自分なので、自分を鏡を見る時間が一番長いのは自分だ。
自分がどう思うかが、つまるところ一番大事な指標なのかしらね。ちゃんと鏡を見ながらね。