5月25日。
最近、星新一のショートショートばかり読んでいる。昔から好きだったけども、引っ越しなどで昔買った本が出てきたりしてまた読みたくなっていた。
一つ5分程度で完結する話が20-30話収録されている。だから寝る前にちょうどいい。しかも大抵は夢みたいな不思議な話。だから寝る前にちょうどいい。
漫画よりも想像力に依存するのが小説とか文字物語だと思うが、星新一の話はまさにそれの筆頭だろう。
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例えば、中世風な騎士が魔法使いを討伐しに行く話もあれば、バーでスパイ容疑をかけられる話もある。挿絵が描かれていることもあるが、それもまた不思議な絵。
挿絵担当の方の話によると、星新一の作品は時代も場所も特定できない話ばかりなので、だからこそ誰にでも受けいられるとのこと。
確かにそうだ。実在する国家名や地域名は今のところ見ていない。1000以上あるうちのまだ1割2割程度しか読んでいないので全体ではなんとも言えないが、江戸っぽいけどどうだろう、現代っぽいけどどうだ、というような。
これは書き手としても想像力と表現力で勝負できるから、テーマの時代との錯誤も気にしなくて良い。逆に言えば面白くなかった時にはテーマ選定というより自分の想像力に問題があるということになる。
ある意味、物語を持たせた大喜利みたいなところがなきにしもあらずってところじゃなかろうか。
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数年前に僕も星新一のショートショートのような、話を書いたことがある。といっても人に見せるのが恥ずかしい程度の真似事に過ぎないけども。
しかし一度書いてみるとわかるが、とても難しい。不思議な世界観を悟られないように日常を描きつつ、急展開するときにいきなりネタバラしする。その急展開もわかりにくい展開になるとまったくわけのわからない自己満になる。
伏線と悟られないような伏線を張って、それを後で急展開だけどしっかりと理解できる書き方にする。
おそらくそれだけじゃないんだろうけども。
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ネットでショートショートを探してみると、いろんな人が書いているのがわかる。4000字程度の物語だから誰にでもとっつきやすいし、自分の特徴を活かせる。工学博士であればロボットの話を持ち込めばいいし、弁護士であれば法廷の話が書ける。主婦であれば昼間のスーパーを題材にできる。
誰しも作家もどきのおふざけができるのがショートショートなのだ。もちろん質の良し悪しはあるけども、それでもいろんな発想が観れるのは面白い。そして僕もまた書くことを画策している。
なかなか面白い文化だと思うぜ。