〈1055.現代サバイバル〉

8月17日。

入社はまだまだ先だけど、中途採用向けの説明会などには時々参加できる。
新卒採用と違って、ちょっと専門的な構え方で話をしてくれるのでなかなか勉強になることもある。
いよいよ俺もそちらの身分になるのかしらと思うとなかなかいい気分である一方で、勉強不足感は否めない。どうにかして情報を集めてスタートダッシュは決めたいものだ。

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とはいえ、社会人になるにあたってなにが準備になるのかさっぱりである。
頭でっかちになっても仕方ないけど、やはり本はたくさん読むに越したことはないだろう。
しかしだ。まとめてどっかり時間があるのは今の時期が最後である。そう考えると、やっておきたいこと、習得しておきたいことを手に入れるラストチャンスかもしれない。
社会人になってもできることは今からやらずに、いまだからこそできることを探すほうがいいかもしれない。

となると何があるかしら。旅行とか娯楽とかはぶっちゃけそれほど魅力的でもないし、世間的にもお外に出るのは避けるべきだろう。

そう考えると、引き出しを多くしておきたいと思う。
なにか関係ない資格とかを目指すのはどうだ。家庭科の授業でやったようなこととか、技術の授業でやったようなこと。あるいは将来のために育児系の資格とか。
絵とかの勉強のために色彩検定とか。

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就職予定の会社でしばらく働かせていただくのはもちろんだけど、時代も時代である。会社が生き残るのかも不透明だし、リストラの可能性だってゼロなわけではない。

時代は変わったけども、結局一人で生きていける現代でのサバイバル力は今が付け時かもしれない。

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僕が抱いていた大人ってそういうものかもしれない。
一人でも生きていける力。
原始時代であれば一人前のパワーであり、現代社会では経済力である。そしてその経済力を支えるための人脈であり、人徳である。

つまり、僕が抱く「大人」になるための準備期間として使うというのが最もの有効活用かもしれない。
よし、本屋に行こう。