〈1107.キャッチーなやつ〉
10月8日。
5Sというまとめ方がある。
宗教、政治、セクシャル、差別、スポーツ。
なんとなく察しがつくかもしれない。SNSでの炎上を避けるための、触れるべきでないテーマのことである。どれも対立するものがあったり、一部の人が迫害された過去があったりなどなど、普通の会話でもよっぽどの信頼関係がない限り触れるべきではないだろう。
うまいことまとめたもんだと関心した。こういうのって誰が言い出したんだろう。
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小学生のころ、エコ活動がいきなり流行し始めた。南極だか北極だかの氷が溶けるから電気をこまめに消せだの、水がもったいないから水道はきちんとしめろだの、急にぐいぐいと日常生活にやってきた。
それはそうなんだけど、そのころの美術の時間でポスターを描こうという授業があった。テーマはもちろんエコである。しぶしぶ図書館で探してみると、3Rとか4Rという言葉に出会った。
リユース、リデュース、リフューズ、リサイクルだったと思う。資源は大事にしましょうという話である。この場合は英語の接頭辞だからまとめやすいというところではあるけども、当時は関心したものだ。確かにこれなら資源を大事にする行動指針が明確だと。
5Sでも4Rでも、たしかに意識すべきポイントは間違ってないと思う。しかし、やはりこの言葉を作り出した人による意図的な絞り込みがなされていることにはやっぱり意識が向かなかった。
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SNSの炎上を避けるというのであれば、「批判」も避けるべきである。ほかにも肖像権を気にしたり、他いろんな権利を気にしなきゃならない。そういう気にすべきポイントはいくらでもある。
資源を大事にするというのであれば、自給自足も一つである。作物を育てるfarm。分別をするのも大事だ。分別するsort。そもそもエコの話であれば資源だけじゃないぞ。
などなど。本来考えるべきものがたくさんある中で、意識するものを選び取っている。これは入門書でもよくとられる方法だろう。
無限にあるなかで大事なものを取り上げる、それをさらにイメージしやすいように標語にする。
これはなかなか人間らしい営みだと思う。
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こういうのはおそらく、コピーライターが得意な分野だろう。キャッチーな言葉を選んだり、くっつけたり、創り出したり。
そうやって理解しやすい枠を与えるというのは、目について覚えてもらいやすい。
よくできたもんだ。
キャッチーな言葉を作り出すのは難しいけど、気持ちいいもんだよね。なんかやってみたいもんだ。