11月7日。
今日は良いオタクの日だった。
いつも通りアプリゲームで遊んで、攻略方法をネットで探してみて、ストーリーの考察をちょっと見る。
僕はオタクだろうけど、もっとオタクな人がいるので、オタクと名乗るのは恐れ多い。といってもマニアである、というほど知り尽くしているわけでもないだろう。
おや、そもそも「オタク」と「マニア」の違いって何だっけ。そこらへんから確認していこう。
。
かつて本や学術書でみたような気がするけど、忘れてしまったのでネットで探すことにする。
いくつかのサイトで見たところ、オタクは「一つのことにしか関心が持てない人」、マニアは「ひとつの物事に熱中する人」とのことだそうな。
視野の広さがその違いが一番大きな違いなんだそうね。オタクは一つのコンテンツに熱中して終わりだけど、マニアは同時進行で色々なことに熱中できるそうな。
うーむ。あんまり納得いかない定義である。単純に「オタク」が視野の狭い奴という蔑称になっているだけな気がするぞ。そんでもって、一つのことにしか関心が持てない奴ってあんまりいない気がするぞ。一つのキャラ・コンテンツに熱狂的に愛情を注ぐ奴って、大抵他のキャラとかコンテンツも好きなことが多い気がする。
という曖昧な感覚をもって定義しなおす。あくまで個人的な感覚を文字化するだけだからね。
。
仮に一人の美少女キャラクターについてのオタクとマニアを考えよう。わかりやすいように僕が好きな『Fateシリーズ』の「セイバー/アルトリア・ペンドラゴン」というキャラということにする。
「オタク」の場合は、彼女が登場する作品である、『Fate/StayNigiht』『Fate/Zero』『Fate/Grand Order』などを確実にチェックし、アニメであれば鑑賞、ゲームであればプレイするだろう。そしてグッズを集める。フィギュアもそうだろうし、ステッカーやキーホルダーを集める。設定資料本なども買うだろう。人によってはSNSでコミュニティを作ったり、参加するだろう。
じゃあ「マニア」はどうだ。作品へのチェックの度合いは「オタク」と大差ないだろう。しかし、「オタク」に比べてグッズを集めることはないような気がする。それよりも、公式設定資料を細かくチェックしたり、作品の中で登場した物事への関心が強いだろう。そして、特にモデルとなった存在への関心も高いと思われる。「アルトリア・ペンドラゴン」の場合は、モデルとなった「中世騎士物語」「アーサー王物語」や円卓の騎士達の関係性をチェックする。そして歴史的背景にある5世紀・6世紀のヨーロッパ史を確認したうえで、「アルトリア・ペンドラゴン」の立ち位置を自分なりに意味付け・解釈をすると思われる。
つまりどちらも作品・キャラへの愛が出発点ではあろうが、その後の行動の目的が「愛情ゆえの収集」か「好奇心ゆえの探求」の違いにあると思われる。
。
言い換えれば、「主観的娯楽なオタク」と「客観的娯楽なマニア」となる。
絶対的に愛を与えるオタクと、絶対的な真理を追求するマニア。そういう感じじゃないかしら。
もちろん、この定義づけが正解ではないだろうな。特に「オタク」という言葉は1970年代80年代から使われ始めた新しい言葉なわけで、時代背景に応じて意味合いが変わり続けていると思う。
そして「オタク」という存在自体も時代に応じて変化するだろう。かつてのような狭い範囲の人を示していたのが拡大解釈される。そしてオタク自身も典型的なコミュ障ではなく、うまく一般人と擬態できるように適応している。
。
1997年に生まれて、四半世紀くらいオタクの友人を抱えて生きてきた僕の肌感覚の定義はこれ、ということだ。
僕は「オタク」ほど絶対的な愛を与えることもできないし、「マニア」ほど知的好奇心があるわけでもなし。
中途半端な「ファン(愛好家)」であるようだ。