〈1153.良いバイトの日〉
11月23日。
今日は良いバイトの日だった。
秋もすっかり深まり、もうまもなく冬だという時期である。冬となると、家によってはイルミネーションを始めるだろう。店によってもそれによって集客を期待しようとするところもある。
我がバイト先もその一つである。イルミネーションのために閉店時間も遅くなり、やたらビカビカと光り始める。そしてありがたいことにお客さんも増えた。
遅くまでいたお客さんが少しずつ帰ると、すっかり暗くなり、帰り道の雰囲気も全く異なってくる。それはそれは楽しいものだった。
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いつものバイト終わりは18時とかそこらであった。駅に行けばまだ人がたくさんいて、学校終わりの人もいる。
それが21時22時になるとすっかり人は減り、駅前にたむろする学生も、ベビーカーを押す家族もいない。仕事でくたびれたおじさんおばさん、まだ綺麗なスーツのニイチャン集団、現場のままの服できたガテン系のおっちゃん。
みんなちょっと疲れているような人ばかりになる。昼の顔、夕方の顔、夜の顔。全く違っていて面白いもんだ。
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昼間のバイト中も季節によって雰囲気が変わってくる。夏場は制服も半袖で、お客さんも活気にあふれている。それが秋になると穏やかになり、のんびりとした雰囲気になる。
イルミネーションがついて、人が多くなると奇人変人も増えてくる。従業員にとっちゃあめんどくさいことこの上ないけども、遠くから眺める分には面白いもんだ。
論文に追われている時期はバイトもせずにのんびりしていたけども、こうやって人の流れを見るのは精神的に豊かになる。疲労感は確かにあるけども、それがなければ生きている実感もない。やっぱり人との交流が僕には必要である。
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4月からは営業職でもなし、接客業でもなし、ひたすらにパソコンに向かって時々会議をするような職場の予定である。
そうなると、季節や人の変化はどうやって感じるのだろうか。休日しか外とは関わらなくなるのは大丈夫かしら。少しでもいいから、仕事終わりにお外に出るようにしようね。
人と会話する量は減るだろうけども。それも仕方あるまいよ。
大学院とは違って直接的に研究をするわけではないけど、クリエイターという点からはかなり似ている点もある。生活をした経験を生かして、精神衛生の良い環境であるようにしようと改めて思い知った、バイトの帰り道です。