ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈1207.旅の終わりにコーヒーを〉

1月16日。

 

旅行最終日である。
昼には出発しなければならないので、もうなにもできないと思った。
しかし、調べてみると朝にカフェにいくのもいいらしい。
ということで、ネットの評価が良い老舗のカフェに行くことにした。
まあなんだっていい。優雅に旅を締めましょう。

 

 

なかなか古い景観のある街並みと、朝の閑散とした飲み屋街を通り抜け、一見特に特徴のないお店に着く。
これが60余年も続いているお店なのか。よくわからないけど、まあ雰囲気はありそうではある。

外から見えなかった内装は、それはそれは老舗感のある木造建築である。
開店からまだ10分程度のはずだが、すでに多くのお客さんが入っており、残る席は一つか二つだった。お客さんは僕らみたいな観光客が数人と、常連客っぽい雰囲気のおじさん・おばさんが数人。天井からはシャンデリアが降りており、店全体が薄く照らされている。
オープンなカウンターでコーヒーやトーストを作っており、マスターのおじさん、手伝っている奥さん、ホールの小綺麗なお姉さん、長身長髪な眼鏡の兄さん。すべてがそれっぽく見えてくるから不思議である。

 

 

待っている間にお手洗いに行ってみた。お店の本来の姿はトイレに現れているものだ。
やはり木造の床で古めかしい雰囲気である。
それでありながら、きちんと新しい洋式トイレであり、それなりにきれいな手洗い場である。
時代に対応しながら、古さを残しつつなそこそこきれいな便所だった。

 

 

余計な詮索は置いといて、メニューにはわかりやすいように一文が書かれていた。
小説からの引用である。どうやらこの店は有名な文豪の作品の中に出てきていたようだ。それもあって観光客が多いのかもしれない。昔から残っているのもそうやって愛される理由があるからだろう。
実際の料理・飲み物の味はどうだろう。それ次第である。

比較的長く待っていると、待ちに待ったトーストとコーヒー、ミルクセーキが出てきた。
パイントーストという珍しいものに惹かれて頼んでみた。これは思いのほかデザート的なおいしさだった。ミルクセーキも関東で飲むやつよりフローズンなものであり、練乳的な甘さであった。なかなか面白い。毎日は飲めないけど(そもそものミルクセーキも毎日は飲まないが)これは良い。
コーヒーはかなり苦かった。ミルクセーキを飲んだ後だったからかもしれないが、普通に飲むより苦い。苦いというより、濃いというほうが正しいのだろう。
そもそもコーヒーのうまい・まずいはわからないのであれだが、いい匂いだったのは覚えている。

朝から良い思いをさせてもらった。雰囲気も良ければ、味も良かった。匂いも良かったし、予期せずして文豪と同じものを口にできた。
旅行としては渋く締めることができて大満足である。
レンタカーで空港まで向かう道中もいい気分だ。

 

 

次はどこに行くかはわからないが、やっぱり締めにカフェに行くのは良いのかもしれない。
旅行の総括をそこでのんびりしながら、コーヒーの香りを楽しむ、雰囲気を楽しむ。
朝早くから動くのも悪いもんじゃあないし。