ホウチガブログ

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〈1235.ライブの深さ〉

2月13日。

 

お笑いのライブを先日観に行った。
テレビに出るような有名な芸人が多く出る日であったので当たり日だった。
しかし、テレビで見るのと違って、芸人との一種のコミュニケーションが劇場での漫才・コントだと感じた。
というのも、観客の笑い声の大小に応じて、アドリブで展開を変えることができるのが、やっぱり面白いからだ。

 

 

漫才はそれが最も露骨に出てくる。
ちょっと咬んだり、ネタが飛んだりすると、すぐに観客が反応する。すると、それを拾って次の展開に用いる。
人によっては観客に話を振るようなコンビもいる。
当然観客はうれしい。その日しか、その場でしか味わえない面白さがあるんだから。
そして反応に応じて舞台の上の人が行動を変えてくれるのは、一種のコミュニケーションが成立していることになる。
その双方向性は、ライブならではである。

しかし、コントもその傾向があるように思える。
コントは一種の劇であり、完成した展開を楽しむものだろう。
しかしライブだと、客の笑い声によって多少の変更があるように思える。
一つのボケが受けると天丼でなんども使ってくることもあるし、あまり受けないと展開を早めているような気がする。
キャラクターの性格を偏らせることもある。

これがなくてもコントはおもしろいけども、この臨機応変な変更があるとこれまた面白い。

 

 

演劇だとこの傾向はあんまりないだろう。
面白さを求めるとなると、こういうアドリブも生まれるんだろう。
その場その場に応じた一番の面白さは違ってくるんだろうな。

ひとり、急遽代役でピンの芸を披露した芸人は素晴らしかった。
期待されていた芸人とは違うということで盛り上がりにかけるスタートであった。ベテランではあるけれどテレビにはあまり出ない芸人だったことが大きい。
最初の小ネタによって観客の反応をうかがい、だれもが白けた空気を感じてしまうと、それを逆手にネタにした。
その後もなかなか爆笑はとれなかったが、間間にものまねをいれたり、鉄板ネタをいれるなど、柔軟に対応した。

その結果、なかなか面白いネタを見ることができたし、人の良さを感じられて温かい気持ちになった。

 

 

アドリブができるというのは、究極の心遣いだろうと思う。
なかなかできないからこそ、ベテランが重宝される理由もわかった。

ライブというのは深いぞ。