『禍福は糾える縄の如し』
こんな難しいことわざを知ったのは、とある漫画のおかげでした。
意味は、人生山あり谷あり、悪いことが起これば良いことも起こるよという意味らしいのです。
『どうしてだ?禍福は糾える縄の如しだろ?良いことも悪いこともかわるがわる来いよ』
この言葉を使った人物は作中、天を仰ぎながら慟哭を上げるのです。
彼は、貧しく、醜く、惨めな生活を強いられ、そして何よりも大切な妹を殺され、最終的に自分とは違い、不運とは程遠い人間に復讐するために鬼になるという選択を取ることになったのです。
先日、第3クールの最終回を迎えたアニメ「鬼滅の刃 遊郭編」の最終回「何度生まれ変わっても」を見ました。この作品を見る最初は
『『鬼は悪い存在だ!』』
と思っていたのですが、いや本当にそうなのだろうか?もし、自分が同じ境遇だったのなら自分も鬼になっていたのではないだろうか?
と回を重ねるごとに思うことがありまして。こういう読者の問いが遊郭編では、1つのテーマとして主人公の炭治郎を通して結構色濃く語られていたように思います。
最終回では鬼の人間だった頃の悲しい過去や鬼になった経緯が語られます。そして、セリフの1つ1つがとても綺麗で美しく無駄がないのです。ですから、取りこぼすまいと耳を立てていたのですが、自分が話の悲しさから鼻をすすり、その音でかき消され何度も巻き戻して、また泣いてしまうという変な循環に陥っておりました。
改めてすばらしい作品をありがとうございました。
作品を作り上げた方の目には留まらないだろうけれど、素晴らしいセリフと情景で心が豊かになりましたし、善と悪の境界線、兄妹の絆、ひたむきでブレない主人公の姿から強さとは何かを学びました。心の栄養をいただきました。
次の第4クール『刀鍛冶の里編』も楽しみにしとります!