ホウチガブログ

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〈1238.バンクシーという集団〉

2月16日。

 

先日バンクシー展を見てきた。
事前に知識をなにも入れず、アプリでの無料ガイドを利用して、展示を鑑賞した。
そんなアプリがあるなんてね。すごいや。

バンクシーについて知っていることといえば、壁に絵を書く人であること、ハートの風船と少女の絵のことぐらいだ。
あとは顔も本名もわかっていない人間であるということ。
もちろん見てきた絵や展示でも、バンクシーがだれなのかはわからない。
しかしながら彼は頭がいいねえ。

 

 

基本的に彼が描くものはなにかを批判していたり、揶揄したりするものである。
問題を起こした会社の対応を描いたり、戦争を決定する政府、市民を守れない警察など。
彼は無力な市民を代表して声を上げているようなイメージを持った。

そのことを、文字ではなく言語の壁を超えられる絵を用いている。
そして、日本では風刺画としてなじみある文化の一つとして解釈できるから、これだけ認知度が広まったのだろう。

どんなことを考えながら日々生きているんだろう。
もちろん、根本的には権力者への抵抗があり、大量消費社会や法規制に反対し、自由を尊重しているような軸がある。
しかし、情報収集やアイデアを結びつける能力が他の批評家や表現者からは突出していると思われる。

それはつまり、マーケティング能力のようなものがとんでもないんじゃないかと思う。
絵の上手い下手もあるけども、それ以上に。

 

 

漫画知識なのでどこまで正しいのかはわからない。
ひとつの参考として「左利きのエレン」があると思う。

その中の一つで、天才的な画家を売り出すために何をするかという話がある。
そこでチームを組み、壁に絵を描く人間、衣装を用意する人間、撮影をする人間、替え玉の人間、などなど。
一人の人間を売り出すために大きなプロジェクトとして動くことになる。

本当にこんなことが現実であるのかはわからないけども、これは一大プロモーションプロジェクトである。
もちろんその中には、世の中の動きや流行を見極めるマーケティングもある。

バンクシーという人間もきっとこういうチームで作り上げた人間なのだと思う。

 

 

架空の人間を、実在する人間にまとわせるような。
法人のように、人間性を概念として作り上げ、それを用いて活動をする団体のような。
「株式会社バンクシー」のようなイメージである。

うらやましいね!やってみたいものだ。
表向きは天才的な人間が一人活動しているように見せて、裏でけらけら笑いあって面白いことを考える。
もちろん、そこには天才がひとり必要なわけだが。

 

 

いつかそんなこともできたら楽しいのになあ。
まずは天才にならないといけないようだ。