ホウチガブログ

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〈1246.遊びとかゲームとか〉

2月24日。


RPGにおける遊びはなんなのか。

例えばドラクエであれば、主人公や仲間といったキャラクターによる戦闘。
これがいわゆるボードゲームなどの戦略性に当てはまる。つまり、ベースにある遊びは将棋などと大差ないと思われる。
しかし、ここだけみるとぶっちゃけそんなに面白くはない。

「こうげき」「まほう」「ぼうぎょ」「どうぐ」「にげる」のコマンドはあるけど、ほとんどが前二つの選択であり、力のごり押しで勝てる戦闘ばかりである。
中ボス・ボスもさほど問題ではない。決して魅力的な戦闘とは言えない。

 

 

しかしRPGである。ロールプレイしてなんぼが面白さの醍醐味である。
世界の住民として町を歩き、世界を冒険するのが楽しいのだ。


つまり、ボードゲームのような戦略性はまったくもとめられておらず、異世界生活が面白さの一番である。

「ゲーム(競争)」というよりも、読書や鑑賞に近い。
ロバートという人によれば「ゲーム(競争)」を分ければ「肉体的技能(スポーツ)」「戦略性(ボードゲーム)」「偶然性(ギャンブル)」に分けられるらしい。
いずれも、ルールに支配されたうえでの勝敗、競走が核にある。

 

RPGは遊びの中に「戦闘」というルールの中での勝敗があるけども、そこは最上位にくるものではない。
異世界文化体験がメインなのである。となると、ゲームを含む鑑賞物ということだ。

 

 

不思議だ。
例えばスポーツ、他のゲームであれば、相手に勝った負けたが楽しいわけであり、そこにどんな物語があるかどうかは関係ない。
テニスには文脈はないし、麻雀にも文脈はない。競争があって、それにどうだったかが全てである。

しかしRPGはゲーム性に乏しいことがほとんどだ。それでよしとされる。


カイヨワの遊びの定義によれば「競争(アゴン)」「ものまね(ミミクリ)」「運(アレア)」「めまい(イリンクス)」に分類できるという。
「ゲーム=競争」であるが、遊びという大集合まで広げれば他のジャンルもある。


となると、RPGは基本的には「ものまね」になるだろう。ママゴトと大差ない、異世界体験を楽しむものだから。

 

つまり、ゲームではあれど、他のゲームが分類される「競争」とは別のモノである。
電子ゲームの中でその遊びの分類ができるのか。


例えば「ゼルダの伝説」あれはなんだ。ミミクリであると同時に、アクション・謎解きなどもある。戦略やスポーツ性もあるというわけだ。
つまり、「肉体的技能」も用いることができるのが電子ゲームということだ。

 

 

リアルの自分の肉体的機能を拡張して、「リンク」を動かすというスポーツだと認識できる。アクションゲームはこれに当てはまるだろう。格闘ゲームもそうだ。e-スポーツという言葉が大衆化しつつあるけども、これもスポーツととらえることができるということだ。


近年の美しいグラフィックで世界を回ることはイリンクスに該当する。
そしてどんな簡単なスマホゲームでも、ちょっとした物語性(ミミクリ)が含まれたうえでの競争(アゴン)になっている。

 

この「競争(アゴン)」「ものまね(ミミクリ)」「運(アレア)」「めまい(イリンクス)」と、競争の下位分類「肉体的技能(スポーツ)」「戦略性(ボードゲーム)」「偶然性(ギャンブル)」は、どのゲームにも複数含まれているものであり、一つだけに特化したものは電子ゲームとしては人気コンテンツになりにくい。

 

 

例えばドラクエでも、モンスターズシリーズというモンスターを育成し戦闘を楽しむようなものは「アゴン」の「戦略性」に特化したものである。
ポケモンも、ストーリー攻略までは「ミミクリ」「イリンクス」を楽しむものであるが、クリア後のプレイヤー同士の通信対戦は「アゴン」の「戦略性」である。
「アレア」特化したものは、ガチャである。これをコアにしたゲームはなかなか長続きするモノではないけども、欠如すると楽しくはない。マリオカートなんかもそうだろう。基本的には「アゴン」の「肉体的技能」であろうが、アイテムは完全に「アレア」を楽しむものだ。

 

 

人間の休暇時間・余暇時間を奪い合うのが、エンターテインメント産業である。


映画も漫画も小説もゲームもスポーツも、同じエンターテインメントであり、遊びである。

となると、すべてこのカイヨワとロバートによる分類が可能だということだろうか。
なかなか考えなくちゃいけないことが多いぞ。