2月26日。
「ウエスト・サイド・ストーリー」を観た。
ややネタバレアリなので注意されたし。
あれはなかなか面白い話だった。
1950年代アメリカの若者の話。ポーランド系アメリカ人とプエルトリコ系アメリカ人のシマ争いが話の中心にある。
シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」から着想を得たらしい。
最初は1957年にブロードウェイでミュージカル公演がされたらしい。それを映画化したのが1961年。そしてそれから60年が経って、リメイクされたんだそうな。
50年代のアメリカが垣間見れるなかなか面白い話である。ただ、事前に物語を知っといた方が楽しめると思った。
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ギャング団のジェッツとシャークスの喧嘩。ジェッツメンバーの青年と、シャークスメンバーの妹の恋愛。しかしそこの対立関係に巻き込まれ、悲劇の最後を迎える。
たしかに50年代版ロミオとジュリエットである。
ミュージカル映画なので、ところどころ歌ったり踊ったりして楽しい映画である。
ただ、ロミジュリのオマージュだと知らずに観てしまうと、物足りない感が拭えない。
たしかに綺麗な男女が愛し、仲間と共に踊り、戦うのは血湧き肉躍る感覚がある。しかし、物語として要約してしまうと、「若者による2日間の小競り合い」となる。観劇後には、あら終わっちゃったという感想が残ってしまった。
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例えば、ジェッツに入りたくて拒否され続けたトランスジェンダーの若者。たしかに今よりも露骨に差別され、でも最後には仲間として認められた。だが、チョイ役としては重すぎると思う。例えば主人公の友だちとか、もっと出し方あるくらい情報量の多い人だった。
あとは、刑事さん。若者から見たら国家権力者の象徴である。結局反抗するシーンもそれほどなく、追われ続けて終わりだった。若者の反抗などももっと出してほしかった。そしたら権力闘争とか自由とか、話題が広がったような気がするし、そういうのを観たかったところではある。
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というのも、そもそもウエストサイドストーリーについて一切知らずに見たからである。壮大で規模の大きな物語を期待していたら、日常の中の恋愛と悲劇を描いた作品だった。
ロミジュリを見に行くんだ、というモチベで見ればまた違うように見えただろう。
そして、そういう作品として思い返してみると、良い話だったと思うようになった。
恋愛と悲劇なんだもの、権力闘争というのは話題として別物だし、ジェンダー系の問題も中心に据えるものではない。となると、そういうものを日常の中で触れたというのは良かったのかもしれない。
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でもやっぱり、個人的にはジェッツやシャークス、刑事さん方の内面とか行動とかをもっと見たかったな!
特にクラプキ巡査はもっと出てきてほしかった!ああいう可哀想で一生懸命なおじさんが好きなだけに、もったいない気がして仕方ない!
トニーがマリアと愛し合っている時に、ジェッツの面々はなにをしてたのか、リフはどんな生活を送っているのか。そういう日常ももっと見たかったなぁ。
とはいえ、歌とダンスは良かった。街中でどんどん人が集まって踊ったり、恋に心躍るシーン、プエルトリコ系アメリカ人の間でも残る派と帰る派で言い争い結局踊るシーン。
見ていてすごく楽しかった。あくまで恋愛悲劇の映画なんだ。それを踏まえてみたら楽しいだろう。
良いものを観たよ。
だいちのおすすめで観に行った。センスがいいですね。だいちはトニーに似ていると思いました。
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暗い話を続けていても、それこそ良いことは何もない。なにかちょっと明るい話題でも探した方が、自分のメンタルは安定するし、周りの人にも良い空気を作れるでしょう。
意識的にでも、楽しい話をしよう。