3月12日。
ちょっと遠出をして、田舎の温泉宿に泊まってきた。
田舎は田舎なので、観光地という観光地はほぼない。一つ二つの目的を終わらせてしまうと暇になる。
いや、温泉が目的の一つなんだからそれが正しい。
観光地がたくさんあるところではないからこそ、のんびり過ごすのが目的なのだ。
1日に2回3回も湯船に浸かった。
なんか不思議な気持ちである。
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若いので、観光といえばあちこちを歩き回って、バスや電車を乗り継いで、未知のものを見たり体験したりするのが旅の目的であるように思っていた。
それが、レンタカーをしない田舎街だと不可能になる。歩いて行ける範囲には、良くてコンビニや住宅街があるだけだ。
未知のところで泊まっているのに、何も新しい発見がなければ、新体験もない。ぶっちゃけ退屈だと感じ始めたときに、やっぱ風呂なんだと思い出した。
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そして正直なところ、家の湯船と温泉と、効能の違いは感じられない素人である。
それでも、足を伸ばせる大きさで露天があったりするだけでもわくわくするものだ。
そこに、理由もなくのんびりと、1時間くらいのんびり入る。
別に毎日が疲労困憊だというわけではないけども、癒しだ。心に余裕ができ、これからどうしようかなんて考えが巡ったりする。
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学生旅行だとのんびりとした時間の大切さには気づかないけども、大人になって毎日仕事とかストレスにまみれてくるとありがたみがわかるんだろう。
起きて、仕事して、飯食って、また仕事して、飯食って、風呂入って、寝る。
のんびり時間を気にせずに過ごす時間というのは取れないようだ。
単純に、いまみたいにガンガン歩いて経験して、という欲望がなくなったり、元気がなくなるというのもあるだろう。
だからこそ、大人向けの旅としての温泉なのだろう。
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あとは、やっぱりうまい飯が必要だ。
不満のない衣があって、温かい風呂と寝床があるとなると、やはり食があれば完璧である。
温泉宿がちょっと値が張るのは、この欲望を的確に満たしてくれるからなんだろう。
飯はやっぱり美味かった。海が近くて、それでいて山もあるので、魚もうまければ野菜もうまい。非の打ちどころなし。田舎なので地酒も良し。
感染症がまだ怖いけども、きちんと対策をしてくれている宿である。こちらもきちんと対策をすれば恐れすぎる必要はないだろう。
観光して、お金を落として、一種の貢献である。貢献なんていう崇高なもんじゃないね。
お世話になっちゃって、良い思いをさせてもらっちゃって、ありがたい限りだ。
またいつか、泊まりに来るでしょう。その時は、大人としてストレスを溶かすために。