〈1288.ナマモノの面白さ〉
4月7日。
少し前にも話題にしたと思う。TRPGに興味がある。
先日、TRPGをする機会があった。人生で初めて遊んでみたわけだが、これはなかなかに馴染みのあるものだ。幼少期に姉貴とずっとやっていた気がする。
おままごととか、人形遊びとか、それを大人が大真面目につくったらこうなるのだろうという感じだ。
つまり、原初の遊びを複雑にしたらこうなった、というようなゲームだろう。
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TRPGは、テーブルトークのRPGである。ドラクエやFFに代表されるようなRPGを現実世界でお話の中でやってみようということだ。
ゲームマスターという神の存在のもと、それぞれがキャラクターを担当する。
なにが面白いのかと言われれば、会話で物語が進行していくというナマモノな感覚である。大筋は決まっているものの、その場その場の流れで話が展開していく。
テレビゲームのRPGほど決まりきった流れに従う必要はなく、エンディングもマルチである。
このナマモノであることは、プレイヤーに責任が生じる。責任が生じることで初めて異世界の仮想の中でも没入できる。
その場限りの、リアルで隣の人たちとは別のことをやっているという特殊性も没入感を強くするのだろう。
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小さい頃に人形あそびを死ぬほどやっていた。
相手は姉貴である。移動の車の中でも人形を持ち込むくらいに好きなあそびだった。
あれのなにが楽しいって、もちろん話が展開して、それにプレイヤーの自分も話の展開の一部を担うのが楽しい。
そして、物語の展開もそうだが、リアルな姉の反応や対応を見るのも楽しい。例えば吉本新喜劇のアドリブのような、素が出てくる瞬間がある。それが前後の文脈とのズレを楽しむようなものがある。それだ。
その、リアルとフィクションを行き来するような面白さってなんなんだろう。
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TRPGの面白さっていうのは、間違いなくそこが絡んでくると思う。
リアルの仏頂面部長佐藤さんが、ゲームの中の女性剣士になるとギャルのようになる。そういう人の別側面が見えた時の楽しさ。
その場限りの物語の展開。
そういうナマモノだからこその面白さというのは不思議だ。ここらへんはなんていうワードで研究されているんだろうか。調べてみる必要がある。