ホウチガブログ

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〈1299.居酒屋考〉

4月18日。


最高の居酒屋ってどんなところだろう。
最近よくいく家近の居酒屋がある。安くて兄ちゃんも元気で、なによりうまい。
これまで行った居酒屋の中でも一二を争うくらいいいところだ。

ただ、世界一の居酒屋かといわれれば、なんともいえない。
そしたら、世界一の居酒屋から考えてみよう。



居酒屋がなにか、と言われれば、ビール・チューハイ・日本酒を提供する場合が多くて、気軽に入れる酒場である。
大事なのは気軽である。
酒場における気軽というのは、敷居が低い、つまり安いということだ。雰囲気もあるかもしれない。一見さんお断りな雰囲気はまったく気軽ではない。
世界一安いという条件が出てきた。


次に、居酒屋で大事なのはスピード感だ。
頼んで比較的すぐにおつまみが出てくることはもちろん、肉・魚料理もそれほど待たずに出てくることが必須だ。
頼んで30分後に来るお肉だとお酒が進まなくて大変だ。
そういや最初の一杯がすぐに来るのはもはや前提条件だろう。それを待つ時間は複数人でいると微妙な空気になってしまうからな。
5分から10分でメインどころが出てきてほしいね。


そして味だ。
いくら安くて早く出てきても、家で食べれる味が出てきたら意味がない。わざわざ外に出て食べようというのだもの、それなりのこだわりはよろしく頼むよ。
世界一の居酒屋っていうんだから、秘伝のたれとか使ってほしいな。


なにより、空気感・雰囲気である。なにもディズニーランドみたいなばけもんみたいに作りこんでくださいというわけではない。
元気がもらえる、楽しい、飲みたくなる、明るい。そういうところだろう。あまり清潔すぎても落ち着かないからな。がやがやしてておっけーな雰囲気。
この汚すぎず、清潔すぎずなバランスは一番難しいかもしれないな。綺麗は綺麗だけど、声は店員さんが大きいということだろうか。



世界一の居酒屋の条件が出揃った。
安くて、早くて、うまくて、楽しい。
安いというのは絶対的な指標として貨幣がある。ゼロに近ければ近いほどいいだろう。じゃあ0円。
早いというのは絶対的な指標として時間がある。ゼロに近ければ近いほど良いだろう。じゃあ0秒。
うまい、というのには絶対的な指標はない。人によって味覚は違うもの。まずくない、というハードルにすることで調理師免許を持っているとかにしようか。
楽しい、というのにも指標がない。これは同じ個人の中でも日によっても違うもの。悪い気にならない、というハードルを下げることできちんとした受け答えができて、笑顔で対応してくれるということにしよう。


メニューを見れば0円、頼めば目の前に焼き鳥、食えばきちんとお食事処の味、店員さんはいつもニコニコ。
そこまで来たら、自分はさすがに金を払おうと思うけどなあ。店を出るときに申し訳なくなるぜ?
良いものには対価を払わなければならない、という暗黙のルールがあるように思える。


となると、0円というのはうれしい価格とは言えなくなった。こっちが気分重くなってしまうから。
ビールがいくらかと言われると、それは店の努力がよくわからないところなのでスーパー値段にしてほしいな。泡がうまい店!とかなら多少多くても仕方あるまい。
じゃあ料理は?基準がないぞ。原材料をどこから仕入れて、それはいくらで、調味料はいくらで、とかやってらんない。しかもそれだけじゃなくて、加工という手段への散財もするべきだ。
そこにいくら払うのか、というのはそれまで食べてきた他の店の味との比較になるのか。絶対的な指標がないな。


しかし、それに加えて雰囲気を提供してくれている。掃除もしているし、笑顔で話を聞いてくれる。
ここはいくら払えばいいのだろうか。



つまり、パフォーマンスが良ければきちんとお金を払わなくてはならない。そうでないと気分が悪いもの。
世界一の居酒屋は、0円、0秒、うまい、楽しい。
そんな都合のいい理想郷はないし、あったら奇妙で二度と行かないかもしれない。
ある程度払うし、ある程度待つし、そこそこうまくて、それなりに楽しいところにリピートするだろう。
居酒屋に行くごとに他店舗と比較して上下はあるかもしれないが。


理想郷があってもいかないな。あの絶妙な良くて悪いところが好きなのかもしれない。
最低限が守られていることがレアなんだけどね。