ホウチガブログ

~方向性の違いでブログ始めることになりました。~

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〈1302.天丼と天丼α〉

4月21日。

 

ジェラードンのネタで「初めて鏡を見て怖がるバカ」がYoutubeにあがっている。
内容はもうサムネで察することができる。そのままだ。アタック西本さんがひたすらに鏡に向かって怯え、怒り、仲良くなる。
しかしこれが面白い。永遠に見てしまう。この数日で暇があればみてしまっている。
この面白さってなんだろう。無知なりに色々考えてみる。



予想できることが面白いというのは、いわゆる天丼である。天丼にはエビが二本入っているけれどそれがうまい、ということが由来らしい(要出典)。その通りで、西本氏はまた鏡を見てビビるだろう、やっぱびびっとるわ!という笑いがある。
お笑いで予想されるというのは、元々は致命傷なはずである。オチが読まれてしまえば興覚めである。基本的には予想外な発想が出てきて、それで伏線回収、笑う、という展開だと思われる。
だけど、この天丼の場合は、予想されないと面白くないし、予想できないということがない。なのに面白い。「お約束」の面白さというのは不思議で仕方ない。



「くるくるくるくる、やっぱり来たー―!!」というのは、ホラーにも共通点がある。お化け屋敷なんかだと、予想外の恐怖を求めるポイントもあれば、同時に予想通りで怖いというのがある。
しかし、この予想通りで怖いというのは、すべて予想通りというわけではない。「出現」という予想はできても、「出現後の行動」が予想を超えてなければならない。


いかにも貞子が出てきそうなテレビが置いてあるとする。それをみて、誰もが髪の長い女が這って出てくるだろうと思う。
そして実際に女が出てきたら、まずは「キャー」と叫ぶかもしれない。ただ、そのあと映画とかで見るようなのそのそと近づいてくるのは想定通りでさほど怖くない。「ああ、貞子、くるよね」という合点になってしまう。
そこで、貞子が立ち上がるとどうだろう。「あれ、こいつ立つんだっけ?」という未知との遭遇がある。さらに目が見えてしまったら。「なんか目があったんだけど!」完全に未知だ。
そして全速力で近づいてきたら。もうこちらは走って逃げるしかないだろう。


もちろん「お化け屋敷」という名前のもとの演出だとわかっていたら、そもそも怖くないという人もいるだろう。ただ、一般論として考えると、予想通りの中での予想外が恐怖であり、そこが期待値越えなのだろう。



ミルクボーイの漫才はまさにそれだ。「またこの展開だよ」の先で、今回はコーンフロスティなんか!という予想外が待ってたりする。
ある意味、線路をあえて見せて、その先で線路にないことをするのが天丼αな楽しみなのかもしれない。


ジェラードンの鏡を見るバカのネタはまさにそれだ。どうせまた鏡を見に来てビビるぞ!やっぱりビビったな、の先で小さな展開の変化がある。今回は警察を読んだ、今回は逆に脅しにいった、今回は仲良くなった、という変化がある。でもベースには鏡への恐怖がある。


ダチョウ倶楽部さんの天丼の面白さ、小島よしおさんの一発芸の面白さは、過去の面白さの再演だろう。しかし、それはなかなか必要とされなくなっている気がする。
過去の面白さの再演をしつつ、そことの小さな変化が面白いところなのかもしれない。予想通り、でも今回はちがう。


もうひとつ深堀できる気がするが、いまはわからない。