〈1322.ゴールデンカムイ〉
5月11日。
ゴールデンウィークで無料公開のゴールデンカムイを全て読んだ。そしてきちんとファンになった。
ゴールデンカムイ展に行くと、作者がめちゃめちゃ勉強していることがわかる。
大学みたいに研究することの難しさは既存のものの新しい解釈をすることにあるだろう。
一方で作品を作るときには創造の難しさがある。既存のものから新規性を見出すようなアイデア。
ゴールデンカムイはその双方をしているんだろう。
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前に見かけた文章で、アイヌ文化を悲観的に、シリアスに扱う話はたくさんあるけれど、面白いところや明るいところを扱う話が目立つことはなかったらしい。
そういう既存のあり方を深く研究して、新しい解釈をしている。
そして、創造物として、明治時代というアイデアを掛け合わせ、冒険させるという新規性を生み出している。
実際作者さんが何を思って作ったのかは多分インタビューとかあるだろう。そこを調べてみるとたぶん違う話が聞けるんだろう。あとで調べてみよう。
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そんな研究成果から生まれたであろう創造物が遺憾なく発揮されているのはやっぱり漫画である。
注釈みたいな形で説明を加えていたり、きちんと文字量を増やして理解しやすく情報を示していたり。
読み飛ばす、という物語を楽しむ方法もあるけれど、そこをじっくり読んで文化を楽しむという方法もある。そのどちらもできるのが漫画である。
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アニメはそことは違う。
細かい文化の描写は残しているけれど、文字で示すことはできないので詳しく理解することはできない。
キロランケがたばこを勧めるシーンは、アニメで見ることはできるけれど、そこに含まれる文化的な意味合いは漫画では書かれていてもアニメではできない。
時間の尺もあるし、その説明は無粋になりかねない。
一方で、話の筋をわかりやすく整えられているのでわかりやすい。
そして声優さんの演技によって、臨場感が増す。楽しい。
アニメと漫画のどちらがいいのかは何とも言えない。
ただ、ゴールデンカムイについては漫画を読まずにアニメだけ、というのはかなりもったいないと思わずにはいれない。
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作品を作るためにアイデアを出すのは誰にでもできる。
それを面白いと思ってもらうためにどれだけ研究ができるのか。そこがクリエイターとしての腕の見せ所なのだろう。
研究がなされていない作品はやっぱり深みがないのだろう。
勉強しよう。