〈1366.家族とキャリア〉
6月24日。
大学院の同期と久しぶりに会った。
会社員になった二人と、海外の大学院の準備を進める奴一人、お母さんになったのが一人。
話の中心は赤ちゃんである。まだ一歳になる前の赤ん坊である。
やはりかわいい、かわいくて仕方ない。でも、お母さんになると当然研究する時間もない。一人の文化的生活を望む自分とお母さんとして子に尽くす自分のバランスが難しいらしい。
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昨日の話にもつながるが、何歳でこどもを育て始めるのか、これはかなり大きな選択であろう。
あまりに若いと金銭的負担が大きすぎる。しかし遅くなると仕事やキャリア形成との折り合いがつかなくなって仕事を諦めることになる可能性も否めない。
そのお母さんになった同期は研究者とのキャリア形成が明らかに遅くなっているとちょっとだけ嘆いていた。
キャリア形成よりもこどもが大事、とは言い切れない。しかしながら子供を端に追いやって仕事をするのはさすがに人としてどうかと思う。
例えば今子供ができたら、新人ですぐに休職するので上長としては扱いにくい存在になるだろう。
3年くらい経過してから休職すれば、ある程度は復職のタイミングで仕事を任せることもしやすいだろう。
逆にそこから遅くなって係長とか課長になった時には、復職のタイミングで同じ席が空いていることはないだろう。
すべて推測でしかないので実際はどうだかわからない。しかし、これまた運に左右されざるを得ないような気がするよ。
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人生というのは結構運によるものなのかもしれない。
まわりの環境とか、人間関係とか、社会の状況とか。そういうのに強く影響を受ける。
育児となると社会制度・会社の制度も大きく関わってくる。つまり、計画通りなんてことはありえない。
どこで育児するのかも大事だ。
田舎なのか、都会なのか、どんな学校で教育を受けられるように環境を整えるのかなど。
それによって引っ越し先も変わってくるだろう。
ある程度の計画と余裕を持たせることで、想定外のできごとにも対応できるかもしれない。リスクのマネジメントができるというわけだ。確実なんてないけれど、それでも努力できるところはあるだろう。
しかしあまりにがちがちの計画だと破綻した時のリカバリーへの心労が半端なさそうである。
そこの折り合いをどうするのかはパートナーのキャリア形成、自分のキャリア形成のすり合わせ作業が必要そうだ。
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考えるべきことが多くあって、自分の人生とパートナーの人生と子供の人生と。とにかく大きな問いが同時に3つ解決できる最善のアイデアをひねり出すことになる。
難しく考えすぎてもどうしようもないけれど、まったくの考えなしで突き進めるほど容易な問題でもない。もちろんそれなりに破綻することのない人生になることもあるだろうが、自分の理想をかなえることはかなわなくなったり、パートナーに無理を強いることになるかもしれない。
慎重にならざるを得ない。
母になった同期がいるというのはそういう意味でもありがたい。
ファーストペンギンは大事なものだ。