世の中に溢れるナッシュくん
こんにちは。だいちです。
唐突ですがジョン・ナッシュという天才をご存知でしょうか?
1928年生まれの超天才数学者でナッシュ均衡という非協力ゲーム理論を築いた画期的な業績で1994年にノーベル経済学賞を受賞した方です。(このナッシュ均衡に関する論文は彼が博士課程でちょいちょいっと書き上げたらしいですからおったまげです。。)
経済学をかじったことがある人なら「ゲーム理論」という言葉を一度は耳にしたことがあると思いますが、理系の方も知っているでしょう。経営学、政治学、社会学、生物学という広い範囲でどんどん応用されている理論であり、世の中に溢れまくっているスーパー素晴らしい考え方なのです。
ゲーム理論は「各人が相手の出方をどう読むかが重要となる」考え方なのです。そんなこといまさら言われなくてもわかってらぁ、って感じですよね。オセロをするときだって相手がどこに置くかを考える。大乱闘スマッシュブラザーズでも相手がいつガードをするか読んでスマッシュを決める。でも相手もスマッシュを打つのを予想してタイミングをずらすとか。
この当たり前の考え方をきちんと定式化して世にある社会・経済問題を上手く説明できるようにしたところにジョン・ナッシュ先輩の凄さがあると思うんです。
さて話は少し変わりまして、今朝の話になります。朝のニュースで大阪なおみ選手の話が取り上げられていました。女子テニス最高峰の戦いであり、選ばれしスーパー強い選手だけが参加できるWTAファイナルズに出場する大注目の大坂なおみ選手がインタビューに答えていました。彼女はこの試合でさらなる成長を遂げるんでしょうね。
で、試合前のインタビュー見てつい笑っちゃった
記者「日本のファンに向けてひとことお願いします」
なおみ選手「・・・え~またそれ~??いつも言ってるじゃん」
たしかこんな内容だったと思います。なんとも大坂なおみ選手っぽい返しだ。
けど僕は思いました。
記者ももっとこう・・・あるだろ!!
少し突っ込んだ質問とかさぁ!あんまし分からないけど、コンディションとかコートとの相性とか前回の試合から今回の試合に生かしたいこととか。
当たり障りもない誰に需要があるのかわからない質問よりかはよっぽど良いと思うんです。
だってファンに向けてお願いします、って言われたらそれに対して「いつも応援ありがとうございます。」までがもう1セットで完成されてますからね。
それだったら松岡修造でも僕が言っても得られるものは同じですから全く無意味。それを大坂選手は言っていたんじゃぁないかと一人で勘ぐっているんです。
だけどここで記者を無能だ!なんて一方的に決めつけるのは良くないので、先ほど言ったゲーム理論から記者の立場を考察してみることにしてみました。
彼らはおおよそテレビ局や出版社、新聞社と契約関係だと思います(仮定します)。あっと驚くような質問をして良い記事を書けたらその記者は上司から「よし、よくやった!お前にまた次の仕事を任せよう」となるわけです。
だけどテレビや新聞なんかを見ると大勢の記者の質問内容は共有されていますよね。A局が言った質問がB局のお昼のワイドショーでも使われているのなんて当たり前のことです。
自分が多くの時間をかけて選手の過去の試合や性格を研究して、的確な質問を考えたとしても他の競合局に使われてしまうでしょう。
他の局もグレイトな質問が使えるのでグレイトな記事を書き、自分の記事の質は他と同じグレイト。おそらく上司から褒められることもないでしょう。
「せっかく時間をかけたのに・・・」
となるわけです。
ですので記者はこのように質問クオリティの天秤を計るはずです。
自社が期待する他社の質問から労力を引いたものが自社の質問となりますので、すべての局で期待する他者の質問の質が同じだと仮定すると、自社の質問のクオリティは相対的に低くなってしまいます。
これが全社、全局で同じようなことが起こっているわけです。(だからインタビューの質が低いと感じる理由なのだと思います。)
なんだかごちゃごちゃしていますが何が言いたいかというと、記者の質問の質が低いのはゲーム理論的に見るとしょうがないことなのだと思います。
これを改善しようと思ったら記者をフリーにして、質問内容に権利を付けるとか。いろいろめんどくさいんですよねぇ。
なんてぶつぶつと考えていた月曜の朝でした。
※ いろいろ間違えているところがあると思うので参考にはしないでくださいね。
では、また明日。