〈150.自然公園の話〉

昨日の投稿について、ほぼ記憶がない。相当お酒が進んでしまった。おかげで口の中がぐちゃぐちゃした二日酔いもどきの不快感で目が覚めた。

だれかがドアを激しく叩いて来る。

"朝飯の時間だよー！食べないのー？"

時計を見ると8時を過ぎていた。おやまあ寝てしまったようだ。

朝ごはんは卵焼きとパンとクレープの皮みたいなやつ。それと自家製ヨーグルト。そんな豪華じゃないけれど、ちゃんとしたごはんは美味しかった。

"ねえ！これおいしい？ここから見えるあの鳥はつがいなんだよ。ところでこのあとどうする？ナショナルパークいくなら手配するよ！"

しょぼしょぼした目をこすってホテルマン(タンクトップに機能性ズボン)の賑やかなお話を聞く。元気なオヤジさんだなあ。せっかくなのでナショナルパークに行くことにした。12時半集合だとか。あと4時間寝ましょうね。

ナショナルパークへは川を渡らなければならない。世界遺産なので手軽にいけずしっかり許可をもらってから、カヌーで渡る。

"クロコダイルいるから！"

楽しそうに言うんじゃないよ。ちょっと！揺らすな！

12人ほど乗れるオープンジープでゆっくりまわる。ジャングルみたいに、土の道の両サイドから枝がはり出してくる。デ◯ズニーとかでこういうのあった気がするぞ。これはリアルなのかあ！すげえや！

案内の兄さんが時々指差して遠くを見つめる。なにか見えるそうだが、兄さん視力良過ぎやしないかい？なにがいるっていうんだ。あー、なんか灰色のでっかいのがいるなあ。ええ？ライノス？ライノスってなんだっけ？サイ！？嘘やん！おお！すげえ！ああごめんね、うるさいと逃げるよね。おいっ！ワニもあるやんけ！すげえ！

昼過ぎから日没まで、およそ5時間。パーク内をぐるっとまわりながら、自然を眺めて、鳥の声に耳を澄ませ、獣に興奮する。ほぼ人の手が入っていない野生の動植物。娯楽にするなんて人間はえらくなったもんだねぇ…。いやあ。すげえや。自然は飽きないよ。

昼飯を食べる余裕がなかったので、夕食は豪勢にいただくことにした。ステーキとパスタとバーベキュー。アブラアブラの天国じゃ。ロウソクの灯りで食べるなんて、ロマンチックじゃないの。焚き火までしてくれるなんて、私には少しロマンチック過ぎたかしら。バチが当たりそうだわ。

嗚呼。毎日こんなに遊んでていいのだろうか。あとですごく痛い思いをするんじゃないだろうか。残すところあと3日。まだまだ遊ばせてくれるよね。むつかしいことを考えるのはまたあとで。今はただ無邪気で居させてください。

よし！そうと決まったら今日も飲むかあ！