〈456.例のアレの話〉
ひさしぶりにひとりでやった。
相手がいた方がもっと気持ち良くなるかもしれないけど、金もないしフレンドもいない。
最初は悪くなかった。だが、結局気持ち良くはない。激しくしてみても、なんというか不発な感じだ。
悪くはないんだけど、一発ドン、がない。なんかいまいちテンションも上がりきらないので30分でやめにしてしまった。
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あ、壁打ちの話です。
セネガルいるとき、めちゃめちゃテニス欲が凄かったんだけども、帰国早々体調崩したりなんだりで。ようやく今日壁打ちに行き着いた。
まあなんというか。体力がないっていうより、筋力が落ちた。すごく。
ちょっとジャンプするだけで体が思ったより飛んでなかったり、ちょっとりきんで打ってみてもボールがスカッと飛んでいかない。頭の周りでハエがぐるぐるしてるみたいな気持ちの悪さだ。
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これを俺は衰えとは認めない。老化現象とは認めない。だってだよ。あのロジャーフェデラーは38歳のくせに世界3位には残ってるんだぜ。それが23歳で衰えとか言ってられるかよ。
ただ運動してなかっただけだよ。練習しなけりゃ下手になるのと一緒。たまたま。まぐれ。むしろ奇跡。ありえない。
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ということで、24時のバイト終わりにランニングに行った。半袖短パンとは言わないけども、薄い長袖長ズボン。悪くない。テンションが上がる。熱くなってやろうぞ!
ついでにスマホでドラゴンクエストウォークを起動しておく。こいつすげぇぜ。起動して歩いてるだけでモンスター倒してレベル上がってんだからな。走ればリアルの俺もゲームの俺もダブルでレベルアップってことよ。
中ボスみたいなのを倒すついでに歩いて休憩し、また帰ってくる。汗かくって気持ちええな。寒い時こそ運動よ。明日は飲み会でランニングはなしだろうけど、飲み会前にちょいと運動でも挟もうかな。
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しかしまぁ、壁打ちするとテニスのスイッチに入るんだね。テニスならば俺は負けちゃあいけねぇんだ、みたいな。誰からでも讃えられる存在でなくちゃいけねぇ!みたいな。井の中の蛙だけどもまあいいじゃない。もう井戸から出ることはないんだから。
とはいえ、春に試合出るつもりだかんな。
それまでに体作っとかなきゃな。十文字の名が廃れるぜ。
〈455.ひとり酒だい〉
さて、帰国してからというもの、気がついたら3週間が経とうとしている。さすが師走だね。
2週間くらい体調崩してて、最近になって調子良くなってきたら色々会う人がたくさんいて。こういうバタバタは嬉しいもんだ。
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ひさしぶりに今日はまじめにやることやった。提出物とか、今後の予定とかまじめにこなしてみた。すると頭も体も疲れるわけだ!ひさしぶりにいい疲労感だ!寝られるぞ。こういうの、なんて言うんだろうな!ホウチガはじめたてのころ、漢眠顔とか言ってたけどたぶんそんな感じだ!
そこでだ。今日はこれからひとり酒をしてみようと思う。したいからする、というよりも開いてるウイスキーをさっさと消費したいから飲む。あとベロベロになったらきっと眠くなるだろうからね。
ベロベロになると僕は謝罪をはじめるらしい。さらに飲み続けると泣き出すらしい。まったくもってウザいやつだ。なにをそんな罪を抱えているのか。
しかし、ひとり酒となるとする謝罪もなかろう。泣いても仕方なかろう。僕はどうなるのか。
むかしひとり酒で記憶をなくす直前の微かな思い出。一人ベッドの上で激しくエアーギターをして大爆笑していた。エクソシストだね。
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酒ってな。あんまりいらないような気がしてきたのよ。特に仲良くなったやつとは。
京都に来た親友とも、この間飯に行った闇多きデブちんも、結局酒を飲まなかった。飲まなくても十分楽しいからな。
酒が欲しくなるのは、初対面とか2、3回目の人の時と、めちゃめちゃハイテンションになっておかしくなりたいときだけだ。
飲みニケーションは大いに結構!大好きだ。しかし、余計な出費をしなくても楽しいのならそれでいいじゃない。ぼかぁそう思うね。
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仲良くてもわざと飲む時もあるさ。そういうときは若干元気なくて、酒に酔ったという言い訳のもと、自分語りとか悩み相談室を開いていただくときだ。話したくなるじゃない!認められたいじゃない!
そんなとき、酒に逃げるのです。逃げてるときはやばいときだなと認識するようにします。
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できるかぎり酒なんか飲まなくても楽しい奴でいたいな。一緒にいたら酒がむしろ止まっちゃうみたいな。
酒のつまみとしてもちょうどいいやつにもなりたいかもな。なんでもいいや。愛されたいんだ。
〈454.メンタル童貞さん〉
「何年も前のことを覚えてるんだからただの一日ではないだろー。」
そう言われた。
僕がクリスマスのことをやたら覚えているからだ。
そりゃそうだ!
男子高校卒業したら彼女なんてホイホイできると思ってたからナァ!まさか一人で過ごすクリスマスがこんなに虚しいなんて思ってなかったサァ!
それで男友達とムキになって8000円のディナーなんて食べた日には悔しくて虚しくて忘れるわけなかろうよ!
童貞という言葉を思い知った日だったネ!そうきたら毎年考えるだろうよ!今年も童貞でしたな。とね!
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「童貞」という言葉が孕む差別的なジョークを僕は非常に愛している。ウブだとか、無知だとか、ダサいとか、ピュアだとか、チキンだとか。そういう垢抜けてない、垢だらけな存在が好きだ。可能性の塊だかんな。
どう‐てい【童貞】
1 まだ異性と肉体関係をもったことがないこと。また、その人。ふつう男性にいう。
2 カトリック教の尼僧。
デジタル大辞泉より。
正確には肉体関係を持ったことのないチェリーボーイのことだそうな。知ってるけどもね。
それを元にして、女性に声をかけられないようなキチンリトルだと揶揄することにもなる。
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だが。チキンリトルであることがそれほど悪いことなのか、僕にはわからない。
確かにチキンリトルであるってことは、自分に自信がない。
しかし、そのおかげでおごった態度はとらないぞ。それに他人の弱さもわかる。優しくなれるぞ。強気に出たところでモテることもないことを知ってるからな!
あと単純に、無知だしウブだしピュアなんだ。基本下手に出ますぜ。こんなマウント取りやすい、一緒にいて気分良くなるやつはいないですぜ。
だから今でもメンタル童貞でもよろしいかと思うんでさぁ!
。
そういやちょっと前、たぶん大学院入ってからだ。
「え!十文字のこと童貞だと思ってた!」
そう言われた。
言った人はたぶん男だったと思うから、深い意味は無いと思う。
…。
あ?!だからどうした!
おん?俺が童貞だったらどうなんだヨ!お?言ってみろよ!
〈453.プレゼント〉
クリスマス。
京都に戻り、ようやく日常に戻る。体調を崩したり、親友が京都に来たり、東京に行ったり、群馬に帰ったり、とにかく移動も多く、落ち着かない毎日だった。それがおわり、年も終わり、すべて落ち着くタイミングだ。
。
京都の部屋。日当たりが悪く、やけに冷える。一人になるとより静かで寒く感じる。数日前にやってきた親友と二人で2,3日過ごしていたなぁ。
そんなことでもホウチガに書こうかしらなんて考えていた時、その親友が珍しくも乙なことしたもんだ、彼の置き手紙を読んだ。
。
実のところホウチガを始める前、はじめに彼に相談したのだ。
なにか文章を複数人で書いたり読んだりする場を作ってみたい。
彼は結局、距離を置いて応援するという立場だった。まぁ、確かに彼が喜んで文章を書くこともないだろうし、ましてやそれを公開しようなんて思わないだろうからな。諦め半分、残念半分だった。
そんな時にたまたま、だいちと岡島が暇そうにハナクソ食ってたんだから、運良くホウチガに辿り着いた。人生わからないもんだね。不確実性にあふれているよ。
。
彼が本を読む姿を見たことはあるが、喜んで文字を書く姿はほとんど見たことない。どうせこの手紙もおふざけで、期待させるだけさせとくようなジョークだろうと思って"いた"。過去形なんです。
"お願いがあります。ホウチガブログを更新し続けて下さい。"
真面目だった。
彼はホウチガを認識していないと思っていたし、認識していてもそんな読むようなことはないと思っていた。
だってこんな駄文追いかけるようなやつはまともなやつじゃないもん。
。
そしたらやっぱり彼はまともなやつじゃなかった。読んでるなら読んでると言ってくれよ、恥ずかしい。
彼はまた適当なジョークで手紙を締めくくった。
短いけど、なかなか出会えない良い手紙だった。悔しいけど、彼のがよっぽど手紙がうまいよ。
。
そういやこの文も読んでんだっけな!
手紙本文の裏にマジックペンでデカデカと文字書いたら、シャーペンの本文が読めないだろ!バカチンが。
なかなかのクリスマスプレゼントだったぞ!次はちゃんと便箋に書きなさい。
〈452.他と変わらずただの1日〉
去年も同じことを書いたと思う。
クリスマスとかクリスマスイブとかはやけに覚えている。
去年はバイト、一昨年はベトナム、三年前は引っ越しバイト、四年前は男友人と高級肉料理。
「まとも」なクリスマスを過ごしていない。
。
しかしながら。なぜクリスマスは「まとも」なことをしなくちゃいけないのか。親しい人がよく言うが、企業の戦略に乗せられているだけ。そうだろう!
羽振り良く過ごさなきゃいけない1日、なんて思わせてるんだからな!
いや待てよ、誰がそんなん決めたんだ、俺は関係ねぇぞ、11月11日が普通の日と同様、12月24日25日も普通の日に変わりねぇよ。
そういうことだ。本人の考え次第で踊らずに済むだろうよ。
。
でもさ、まわりがさ、楽しそうにしてたら自分も楽しくしたいじゃないの。
あったかい部屋の中で家族とか想い人とローストチキンにかぶりついてみなさいな。
それはそれは幸せな味がするだろうよ。
だがね、そういう幸せな味のために汗水垂らしている人もいるんだね。
せやからな、わいは去年から言っとる通り、誰にでも敬意っちゅうもんを払わなあかんで。クリスマスだからとかちゃうで。いつでも誰にでも敬意を払うっちゅうことが大事なんや。その延長で、敬意を払ってたら、あら今日はクリスマスやったんか!それでええねん。
あんたがうまいもん食ってるのは誰のおかげや?あんたが稼いだ金か?金があるから食えるんか?ちゃうやろ。金はただの媒介物や。その先にいるじいちゃんばあちゃん、姉さん兄さんが丹精込めて作ってくれてるからやろがい!
感謝しなくなったら人間おしまいやで。そこんところ吐き間違えるでねぇかんな。
。
今年ですか?今年の僕ですか?
今年はあったかいレストランの中でワインなんかいただいちゃいましたけどね…。
いやぁ。おいしゅうござんした…。
〈451.T〉
12月23日。
群馬。
いつもより早い時間に墓参りすることにした。
日は傾き、冷たい風が肌を刺す。マフラーもマスクもないと、顔が痛くなる。自転車だとなおさらだ。
部活帰りの中学生が帰る時間。僕が自転車をチンタラ走らせていると、楽しそうに通り過ぎていく3人の自転車。
卒業してからもう8年経とうとしているのか。
。
墓場。
いつもは人目がなくなった暗い時間に墓参りしていたからだろうか。隣が保育園だったことに初めて気づく。賑やかに遊ぶ甲高い声。親の迎えを待つ幼い顔。
"〇〇ちゃん!明日ね!明日はおにごっこね!またね!"
またね。
友の墓の前では聞きたくなかった。
。
友の死は、その事実だけでも苦しい。
ただ、彼の死を通して、僕は僕のことをより一層嫌いになった。
仲良くなればなるほど、僕は感謝を伝えなくなる。「恥ずかしい、カッコつけたい。」
1番の親友だった彼に対して、そのクソみたいな性格が一番表に出てしまった。
彼との最後の別れは塾の自習室だった。
"お互い、頑張ろうね!良い報告できるようにね!"
"お前がダメでも俺だけでも受かるけどな。"
冗談だけども。心からそんなこと思ってるわけないけど。彼に甘えていたんだ。
。
もし5年前に戻れるのなら。僕は俺の頭をぶん殴るだろう。そして彼の前に行って、一緒に頭を下げて、ちゃんとお礼を言いたい。
こんな俺に付き合ってくれててありがとう。
。
それができないから俺は永遠に苦しむだろう。後悔するだろう。
"大切な人にはちゃんと感謝を伝えましょう"
そういうスピーチを大学の英語研究会で作った。
彼の死をなにか繋げる手段として、同じ後悔をしないよう伝えることだと信じた。
結果として。今、仲良くしてくれてる人もちゃんと大事にしよう。そう考えるようにもなれた。ようやく一歩成長した。
だが。ほかには何にもならなかった。むしろ、考えれば考えるほど、知れば知るほど後悔は増すばかりだ。
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それでも、やっぱり彼のことはなにかの形で表現したい。しなくちゃいけない。
こんな感情だったと、彼に伝える手段はないけども、そうでもしないと彼の優しさに応えられない。
こんなに優しい奴が世の中にはいたんだぞ。優しくて不器用で頑張ってた奴がいたんだぞ。
それにはまだまだ知らないことばかりだ。
。
だからどうした。そんなの俺のエゴじゃないか。
そうとも思う。彼の死をダシにしてなにか企んでるんじゃないか。そういう疑念がある。
自分は信用しないほうがいい。
ならばその疑念さえも信用せず、何にも信用せず、思ったんだからしょうがない、そう思って表現してやろうとも思う。
。
なにを持って彼を表現できるのか、はたして彼の死と向き合えるのか、俺がなにをしたいのか、5年経ってもわからないことが多すぎる。
とりあえず文章は上手くなっておきたい。そう思って毎日書いてみてるわけです。始めてから450日が経過しているわけです。まだまだ向き合えるだけの力はない。
次の墓参りでもおんなじように向き合えそうで向き合えない時間が続いているんだろうか。
手が冷たい。息の白さが目立ってきた。
そんじゃ、そろそろ行こうかな。
またね。
〈450.親友と偉人と東京と〉
12月22日。
京都を朝一に去り、東京に着く。
好きな画家の絵を見て、会いたかった人に会って。今日もまた良い一日だった。
あふれているのでメモにしよう。
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見た絵画で感動したこと。
歴史画の画家さん曰く
「歴史を描くということは事実を残すことではなく、歴史を描くことを通して、自分の理想・希望を描くこと。」
そういう歴史との向き合い方があるのか。新しい発見だった。
そういう画家さんの言葉っていうのは抽象的であるが故にどこまでも深い世界が広がっている。画家さんの書く文章もまた味わい深い。ぜひ画家の本を読みたい。
東山魁夷がやっぱり大好きだ。
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高校時代の戦友2人と会った。
二人とも医学部でオイシャサマになる人たちだ。学生生活の過ごし方も、将来の考え方も、生き方も、全く違う。これまでの身近にいない人たちだ。
"大学入れれば、安定した収入が約束される未来が見通せる、そういう身分だからな。"
そうか。
"一応選択肢もたくさんあるけど。でも、お前みたいに色々選択肢があるわけじゃあないからな。"
…そうか。
"そうなると、お前のやりたいことって読めないところ多いよね。難しいな。まあ、なるようになるさ。"
オイシャサマがそういうなら、どうにかなるだろうよ。俺が体壊したら診てくれよ。
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生きることについての価値観を色々見た一日だった。
表現することに人生を捧げた人たち。誰かの命を救ってお金をもらう人たち。
結婚と家族と生活と自己実現と。
色々考えるための種をいただいたけど、まだ考え足りないことばかりだ。時間をかけて整理していこう。
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クリスマス。
カップルと家族が盛り上がる日。どこもかしこもクリスマスソングとイルミネーション。
それに乗っかっても良し、あえて異質なことをするも良し。
その人の生き様が見て取れるかも。