そう。私は基本、カッコつけたい人間なのだ。人目があれば、いまなにをすれば一番かっこいいかを考えてしまう。そう。永遠の中学二年生なのだ。
中学校の体育館。長い校長の説教。痺れる体育座り。二階の窓が割れて、モンスターが入ってきたらどう対決するか。
俺はまず外に出て、ボールを奴にぶつけて注意を向けさせる。その間に生徒を逃す。奴に向かって木の枝なげて目潰し。気づけば奴の懐に入り込んでチェックメイトさ。50戦以上してきた。もちろんすべて俺の勝ちだ。
都会の横断歩道の信号待ちのとき。1分くらい空き時間。どうすればカッコよく渡れるだろうか。
案1。青になった瞬間小走りして、タスクのために忙しいんですアピ。できる奴感。
案2。赤を待ちきれず、車と車の間を上手いこと走り抜ける映画ヒーロー。カンフー感。
案3。なんかめっちゃ脚力上がって、超ジャンプで向こうに渡っちゃう。ジャンプ感。
案4。突然ムーンウォークしてみる。みんなノってこいよ。マイケル感。
都会を一人で歩いてたら基本的にずっとこんな感じ。ホームで電車待ちの時も、もし犯罪者が来たらどうとっちめるかを考えている。もちろん、最後はクールに去るぜ。
テニスをすれば俺はキリオス(悪童)さ。プレーに腹が立つ?はん。知らないねそんなコト。俺は俺のすることをするだけサ。
なんてね。
カッコつけたいのだ。切実に。なぜならカッコいいことは天地がひっくり返ってもできない。
あぁ、あの人カッケェなあ…。あいつ、またカッコいいことしてんなぁ…。おれがしようとするだけで、無い段差に引っかかるし、どもるし、目を合わせられない。最終的にカッコ悪くなってしまう。そうすると、ピエロになるしか無い。カッコつけたいけど、せめて笑ってくれや。俺には向いてませんヨ。
だけども。せめて俺の中では、俺はカッコよくありたい。その結果の妄想族なんだぁ。(52.北関東の妄想族へ)
だけど、これをうまく活躍できる場面があるのさ。
人目を人一倍、いや何十倍も気にする俺は、家から出ればなんかタスクやら勉強やらが捗るのだ。パソコンカタカタしてる俺、カッコええでっしゃろ。
その結果、予定以上に進められるんだね。
これはもう、俺の特性なんだ。カッコ悪い弱点であり、使い方によっちゃあカッコよくなれるんだぜ。だれも俺のことなんか見てないけどな!そんなん知ってるさ!
だから今日も妄想が捗るぜ。今日もベッドの上ではヒーローになろう。どこの世界を救ってやろうか。とりあえず空飛ぶ練習だな。