〈318.ナイトメア〉
Iambeが返事をよこしてくれた。
返事をしようかと思ったけども、元気が出てこなかったので明日の宿題にすることにしよう。
ちょいとパワーが必要な議論なので。
なんで元気がないかといいますと、腹筋背筋、二の腕太もも。全てが筋肉痛で昨日からやる気が起きないのよ。
筋肉痛になったのはいつぶりだろう。久しぶりにテニスコートで相手してくれる人がいるもんではりきっちゃったのよね。
ここまでだったら爽やかスポーツイケメンマンでちゃんちゃんなんだけども、疲労がおかしかったんだろうな。すごく怖い夢を見ることになってしまった。
。。。。
私がなんかの集まりでわちゃわちゃと楽しく話していると、怪しい黒づくめの男が現れる。
別になにをしているわけでもない。凶器もなければ、怪しい素振りもない。ただ、私やその周りの人には重犯罪者であることが共通認識としてある。
そこで私は、起こる前に守らねばならない。そう思って、そこに置いてあった包丁を握った。
バレないように静かに近寄る。心臓がバクバクと破裂しそうになる。
えいと足に力を込めるも、いざ人を刺すとなると躊躇してしまう。
その一瞬の隙で、奴が振り返ってしまった!
しまった!後に引くことはできない!
しかし、私は刺したくない!
しかし!
その刹那、私は持っている包丁をむやみやたらに振り回し、奴の腕を裂く感覚があった。しかし骨を砕くことはできない。肉を切り裂く。
夢のはずだ。肉を裂く感覚が包丁から伝わってくる。
これは正義のためなのだ!そう言い聞かせ、力んで閉じた瞼を開けると奴と目が合う。
余裕そうに口角を上げている。叫び声を上げてはいるものの、いかにもわざとらしい。抵抗してこない。
なんだこれは。理解できずもう一度振りかぶり、同じ腕を切り裂いた。
同じく不敵な笑みを浮かべたまま、わざとらしく叫んでいる。
おそろしくなり、何度も何度も包丁を振り回すが。奴が倒れることはない。逃げようかと思ったが、足が思うように動かない。
。。。
ここでようやく目覚めることができた。
正義を理由とはいえ、実際に罪を犯した様子も見ず、私がこの手で人を殺めようというのは、無意識下に見る夢とはいえ、自分が恐ろしい。
過去にその男が罪を犯したとして、それを現在になっても許さじとする私の心はなんなんだ。
人は変わることができるだろう。そう心から思っているはずなのに。
なんだ。英雄にでもなろうとしているのか?重犯罪者が事件を起こす前に防いだとして、名声を得ようというのか。命を消すことによって。
俺はなにを考えているんだ。
夢診断ができるなら、この深層心理を教えてくれ。
自分が一番わからないよ。