〈338.うみとさかな〉
なにゆえもがきいきるのか。
前にも出てきたと思う。ドラゴンクエスト3、ラストボスの大魔王ゾーマの言葉。
一昨日あたりに書いたように、人間ってちっぽけだ。大海を漂う小魚と同じく、広い宇宙に漂う動物だ。
ただ、小魚と人間で違うのは、こちらから働きかけることで環境を変えられるということなんだろう。
人間がその気になれば地球は破壊できる。何千何万年かけて築き上げてきた文明をゼロにすることができる。
でもそういう力を握るのは結局一部のそういう役職の人であって、普通の人は特に名を残すこともなく、子孫は残して死んでいく。その間にちょっと良いことをして、それを積み重ねて生存競争に勝ってきている。
社会的に見れば人間という種族は凄まじいものだけど、個人でみても何の意味もない。
どこかの広告であった。
"世界を変えてきたのはすべて一人の思いから"
その一人になることが難しければ、思いが実現するために何人もの無しに等しい思いがあったのだろう。
ただ、無しに等しくても、無意味であった、ということじゃあないんだろうな。
所詮小魚程度の私です。いままではもっと素晴らしい人間になってやろうと思ってたけど、そんなに素晴らしいことは成し遂げられないだろうし、せいぜい数百人規模の中で良いやつだと言われるくらいなんだろうな。
それでいいんだ。人間ではなく、動物としては上等なやつだ。
しかし、人間として上等になるんだったら。
私個人の幸せではなく、人間社会とか血筋とかそういう人たちの幸せを願うことなんだろう。
これに意味があるのかはわからないけども。無意味ではないと思うけども。
私個人の幸せを求めても、誰かの幸せを祈っても、待っているのは結局のところ等しく死だ。人間の致死率は100%だからね。
意味のない生であるならば、せめて近しい人の幸せを願えばいいじゃない。
意味のない生であるならば、自分のために生きてもいいじゃない。
だとしても、自死というのはやはりもったいないと思うんだね。自死を考えてもいいだろう。だけども実施しちゃうのはもったいないな。
未知との遭遇の期待感を無に返しちゃうんだもん。
未知のエリアなら輝けるかもしれない。
その輝きは、海底を漂う小さいアンコウ程度のものかもしれないけども。それもまた楽しいのかもしれない。
なにゆえもがきいきるのか。
わからんけども。せっかくだし?