英語研究会に所属し、全力でスピーチに挑んでいた時のことだ。
スピーカーとしても、人間思考力的にも最大の尊敬をしていた人の講義を受けたことがある。そんなひとが口をすっぱくしていっていた言葉がある。
スピーチをする8分間という時間は、オーディエンスの方からいただいた貴重な8分間なんだから、自己満足じゃダメなんだ。与えるなんておこがましいけど、せめて楽しい時間を与えなければ、それはスピーチとして名乗っちゃダメ。
このスピーチという言葉をドラマに置き換えれば脚本家の教訓になるだろうし、映画とすれば監督の教訓になる。非常に深い言葉だ。
どんな孤立をしていたとしても、人間は社会的な動物なのだ。必ずどこかで人と繋がることになってしまっている。だからこそ、自己満足ではなく、誰かの存在、誰かの時間というものを考えなくてはならない。
チンパンジーの群れで想像すれば簡単だ。一匹のオスが自己満足なことをすれば群れから締め出され、天敵のおかずになってしまう。だからこそ群れの規律を重んじるし、リーダーやメンバーのため、という行動ができる。
これと同じことが我々人類にも必要なのだ。心と頭脳をやけに参加させたけども、根本的には動物なのだ。だから、誰かのためという意識を亡くしたら、天敵のおかずにはならないものの、社会的動物としては危機領域の孤立へと歩みを進めなければいけなくなる。
だからといって、常に誰かのためを考えられる聖人はそういない。しかし、要所要所で確認を取る時間は必要なのだろう。
"わがまま"と"ありのまま"は違うと言った人がいる。相手のことを考えながら、私のことをしっかり肯定する、という結局のところバランス能力は失っちゃあならないんですな。
もちろん、ホウチガっていう場所も私たち書き手のやりたいようにやらせてもらう場ではありますが、どこかで読み手の方の思考のおかずになればいいなと、思ってやらせてもらっているんですぜ。今日も読んでいただきありがとうございます。おいしいおかずになったかしら。