〈120.Congratulations!!〉

新女王が誕生した。21歳。日本人。こんな嬉しいことがあるだろうか。まさか生きている間に日本人の名前をランキング表の一番上で拝む日が来るとは思わなかった。

試合時間になると、スマホをレジの下に隠し、うつむくようにして見入っていた。途中、なおみさんの課題のメンタルが若干乱れる場面があった。見ているとなんでやねん！と机に拳を振り下ろしていたが、プレーをしている身を想像すれば仕方のないことだろう。もちろん、僕の想像の範疇ではないのだが。

何事もそうだ。側から見たらそんなんならんやろ！ってことも、本人からしたら必死の結果なのだ。理解できる人なんてほぼ皆無。似たような境遇に立ったことある人がすこーし同情してくれるだけ。人は孤独なのだ。

そのことを理解できれば孤独ではなくなる。無知の知によって、無知は超えられるのだ。きっと新女王は孤独を乗り越え、チームとの強固な信頼関係ができたうえで立つことができた世界なのだろう。こんな言葉がチャチなものに思える。

とにかく優勝、素晴らしい。おめでとうっていう言葉じゃ絶対的に不足している。ただただ素晴らしい。脱帽。起立。拍手。

新女王が真女王になるのはいつだろう。これからのテニス界の動向に胸を高鳴らせつつ、今日は夜食をいただこう。プロテイン多めで。