街に出ればピンク色に染まっており、電車に乗れば綺麗なスーツや制服が目にとまる。部屋に入れば隣の部屋からガタガタと慌ただしい音が響き、スマホからは新生活の期待や不満が溢れている。
私はというと相変わらず昼まで寝ている。しかし、遂に冬眠明け宣言をせねばならない。明日から大学院生としてしばらく生活をすることになる。
数年前までは、大学院生とも言えば、白衣を着てメガネをしているスラッとした賢そうな人たちだと思っていた。ところがどっこい、すきあらばゲームしたり漫画読んだり、散歩ばかりする阿呆でもなれてしまうんだねぇ。
おんなじような体験を大学一年生春にもした。大学生といえば、お洒落な服でメガネをしてスラッとした賢そうな人たちだと思っていた。蓋を開けてみたら、メガネはしていたけど賢くはないしチビで太っちょで終わってしまった。
外から見た色眼鏡っていうのはそういうことなんだろう。現に今の僕は、社会人というカテゴリーに対して度の強い色眼鏡をしているのだろう。背広を着てメガネをしてスラッとした賢そうな人たち。同期の奴らもなっていっているのにねぇ。
上目遣いの色眼鏡だと綺麗な色に見えちゃうんだろう。ところがこの色眼鏡、下を向くとやたら汚く写ってしまうんだね。ありのままに人を見るというのは不可能に近いんだろうけど、目を凝らして見定める努力をすればするほどピントは合ってくれるんだろうね。
なにごとも腰が浮つき、目も泳ぐようなふわふわした卯月。なにごともはじめが肝心要だったね。メガネをとって、ありのままの姿を出せたら、きっとうまくいくんだろうね。
ま、コンタクトめんどくさいので新しくしたメガネで挑みますけども。