閑散とした真夜中のオフィス街
目に映るのは青信号の点滅だけ
今ここには背中を丸めて歩く僕しかいないのだろうか
下を向いてフードを被ると別の誰かになったよう
呉服店のガラスに映った自分は感情的でわがままで人に迷惑をかけてばかりいる
これがなりたい自分なのか
そう問いかけたが答えは出なかった
時々すれ違う人たち
何をしている人たちだろう、いや興味はない
この人たちが旅人だったらどれだけ心が跳ね上がるだろうか?その小さな身体よりひとまわりも大きなバックパックを背負って見知らぬ土地を放浪する人たち
ここではない場所を探している彼らに勇気をもらい、自分はまた明日からも頑張れるのかもしれない
視野が狭窄している自分に辟易しているのだ
誰かに
「世界は広いのよ」
そう言ってもらいたい。
また明日から逃避行が始まる。
本当の自分は君ではない
と、プライドの高い自分と現実から目を背けたい自分に言われてなんとか自分が自分であるかのように感じる
自分に降りかかる全てに対して嫌になってきたところでそろそろ寝るとしよう