〈491.場所の記憶〉
なんでもない話。
明日の用事があって東京に来ている。しかし、東京での遊び方がわからない。毎度毎度困っている。
仕方なし、宿泊先のちかくの上野駅を散歩していた。人が多くて嫌になっちゃう。
そしたら公演があった。有名な上野公園かしら。博物館も美術館もあるじゃない。こいつらを見て時間を潰すとしよう。
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特別展を二つみた。展示はおもしろいんだけど、それが理由でとにかく人がいるんだからぎゅうぎゅうだ。ゴンゴンぶつかるし、人は動かないし、疲れちゃった。
でも三角縁神獣鏡を見れたのはよかったぞ。
思ったより疲れたのと、人が多くていやんなっちゃったので、さっさと帰ろうと思った。
地図を見ながら歩くと、見たことがあるでかいくじらがいた。シロナガスクジラ?とかそういう奴なんだと思う。中学の修学旅行で来たんだった。6人か7人の班だったな。テニス部のやつと組んで、提出した計画書通り動きたい僕と、適当にふらふらするやつらで、ちょうどいいふらふら加減だった。あのころは真面目一本の俺だった。唯一班員全員で撮った集合写真がこのシロナガスクジラの前だった。
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なつかしい。場所で呼び起こされる記憶があるんだってだれかが言ってたな。当時はそんなこと考えもしなかっただろうけど。
もしかしたら今日の博物館でのストレスも奥深く記憶として残るんだろうか。
それはないか。