今日は全くもって美味しくないケーキを作った。スポンジを作るのは難しい。ただ、このクリエイションはすげー楽しかった。次は見た目にも味にもましなものを作りたいね。
そんなひとりのクリスマスイブ。友人とラーメンを食いに行ったあと、寝る準備をしようかと思ったら、昨日の親友が連絡をよこしてきた。
引っ越し準備が終わったから飲み行こう。
引っ越しの準備が終わる。つまりお別れになる、ということだ。できる限り湿っぽくならないよう馬鹿にしあっていたがやっぱり湿っぽくなる。
飲み屋を出て、いつもの公園のベンチに座った。なにを話したかよく覚えていないが、それもまたいいのだ。彼と同じ場で同じ思いを共有できたことがなにより大事なものなんだ。
帰り、僕と彼は握手をした。1つの区切りだ。卒論を出し、とりあえず卒業ができそうになった今、これからはお互いの道をお互いの歩幅、スピードで歩むことになる。そのスタート地点に立つことを意味する握手だった。
家に着くと、彼は僕が潜ませておいたポストの手紙に気づいたらしい。なかなかの長文で返信をよこしてきた。
"もしかしたら10年後に同じ組織に属していたりだとか20年後には2人で会社を立ち上げていたなんて事が起きるかもしれない。その時はまたよろしくな!"
僕が昨日、ゲストとホストの関係になることへの恐怖を書いたことへの彼なりの言葉なのだろう。同じ学部、同じゼミで学んだ仲だ。これからも交わることはあるだろうな。同じ組織に属さなくても、会社を立ち上げなくても俺らはたぶん、ゲストホストにはならないだろう。永遠の学友である、そんな気がした。
俺はもう後悔をしない。彼との思い出は十分だ。これからは学びの友として俺の道を教え、彼の道を教えてもらおう。君のいう通り、お互いの友人としての優先順位は下がるが、間違いなく学友ではあり続ける。
彼に胸を張って学友と言える男にならなくてはならない。俺は俺の道を歩まねばならない。まあ楽しみにしておいてくれ。しばらくはでない芽なのかもしれないが、俺にはビジョンがある。
いざさらば。
まず、このホウチガの芽を育てることだ。強欲にはいかないけどね。ゆっくりしっかり大切に育てていこう。僕たちで。あなたと。